「どんな服をつくるのか」をしっかり企画できることが大切
ファッションデザイナーというと個人のセンスやデザイン力に注目が集まりますが、実際の現場では、それらと同じくらい企画力が重視されています。想定されたターゲットに対し、「何をテーマに、どんな素材を使って、どんなアイテムをつくるか」などを設定した企画がないと、服づくりはスタートしません。そのためデザイナーはシーズンごとに、「どんな服をつくるか」を企画することから始めます。
この段階で決定した企画をもとに、制作チームは仕上がりやイメージを調整し、営業やショップ販売スタッフはお客様に服を売り込んでいきます。もし根底にある企画が曖昧なものであれば、各スタッフが「何をどうして良いか」が分からなくなってしまうので、ファッションデザイナーには明確な企画を立案する力が求められます。
個々のセンスや手先の器用さも重要です
デザイン力や独創性、発想力、感性など、「個人のセンス」と呼ばれる能力も、もちろんファッションデザイナーには欠かせません。デザインの良し悪しが商品の売れ行きを大きく左右するので、デザイナーは日々研究や勉強を続け、ターゲットの心を掴む服をデザインしていきます。
また、企画・デザインどちらの段階においても、流行や市場の動向、最新のデザインなどに関する情報は重要となってくるので、日頃から様々な情報に対するアンテナをはっておくことも重要です。
現場を円滑に回すためのコミュニケーション能力
企画、デザインと合わせて、ファッションデザイナーは現場の調整を行うこともよくあります。パタンナーや製造工場では、基本的にデザイナーが作成したデザイン画や仕様書をもとに作業を進めますが、細かい調整は直接のやりとりで進めていきます。「何をどうしてほしい」という指示をしっかり出せるデザイナーほど、自分のイメージに近い服をつくることができるので、様々なスタッフと円滑にコミュニケーションを取る能力は必須となるでしょう。
その他、素材や色彩に対する知識、ファッションへの情熱、新しいことへのチャレンジ精神なども、ファッションデザイナーの仕事をする上では大切な資質といえるでしょう。