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仕事を知る

救急救命士の仕事

1分1秒が大切な命を左右する!
早く、的確な処置で命を守ります

救急車に乗って救命活動を行う救急隊の中には、「救急隊員」と「救急救命士」があり、それによって、認められている処置の内容が異なります。
一般の救急隊員でも認められているのは、意識や呼吸状態、心音の確認や、血中酸素飽和度、心電図の測定といった「観察」業務、そして、人工呼吸や酸素吸入、骨折時の処置、血圧保持といった「応急処置」業務です。
これに加えて、救急救命士には次のような「特定行為」が認められています。

救急救命士に認められている特定行為

1. のど元や気道の入り口までチューブを入れて酸素を送る
「特定の器具を使った気道の確保」
2. 静脈に点滴を打って血液を増やす
「乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保」
3. 電気的刺激を与えて心臓の拍動を正常なリズムにもどす
「半自動式除細動器による除細動」

また、近年では救急救命処置の範囲がさらに拡大され、認定を受けた救急救命士であれば、気管まで管を入れて酸素を送る「気管挿管」や「強心剤(アドレナリン)の投与」も可能になりました。 救急現場、救急車の中では、救急救命士が無線や携帯電話などを使って医師から直接指示を受け、それに従って上記のような救急救命処置を行います。

その後、病院に到着すると傷病者を引き渡し、症状や応急処置の内容を医師に報告します。
もちろん、病院に引渡して終わりではありません。救急救命処置を行った場合は、その内容を救急救命処置録に記録することも定められていますので、署に戻って報告書などを作成することも大事な仕事です。
そしてもう一つ。救急救命士はあくまで「消防吏員」の一人ですので、救急車に乗ることだけが仕事ではありません。時には、消防車に乗って消防活動を行うこともあります。

高齢化や生活習慣病などの増加によって、救急車で搬送される人は年々増えており、現在、年間で500万件以上、東京都だけでも年間約65万件の出動要請があるといわれています。
これに対し、救急救命士の数はまだまだ不足しているのが現状です。救急車1台に救急救命士1名という理想を形にするためにも、そして一人でも多くの命を守るためにも、高度な技術と専門知識を持った救急救命士の育成は急務だといえます。

救急救命士の1日と生活サイクル