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患者さんとその家族の不安を取り除いてあげられる視能訓練士になりたい

神田 裕香さん視能訓練士 (東京都立 多摩総合医療センター 勤務)

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患者さんはもちろん、家族の方の気持ちをわかってあげたい

私自身は、眼科に1回も通院したことがありませんが、弟が生まれつき眼が悪かったため、弟についてよく病院に行っていました。そのとき、病院で働くさまざまな職種の方々を見て「格好いいな」と感じたことが、医療関係の仕事に興味を持ったきっかけでした。高校2年生のときに参加した医療系の仕事のイベントで、初めて視能訓練士という仕事を知りました。「眼」については興味がありましたし、患者さんの気持ちをわかってあげられる人になってほしいと声をかけていただき、「私にもできることがある!」と感じ、この仕事を志望しました。病気を持っている本人も大変ですが、家族も苦しいことがありますので、その気持ちを少しでもわかってあげられるのではないかとも考えています。その後、東京医薬専門学校の体験入学に参加したときにも、女性に向いている仕事だという話を先生から聞いたことで、この仕事に進もうという気持ちを後押ししてもらいました。

勉強は苦手だが、頑張った3年間

視能訓練士になると決めてから、資格は最短で取りたいと思ったので、大学よりは専門学校で学ぶことを選びました。それで3年間で受験資格が得られる東京医薬専門学校に入学を決めました。入学してからの勉強は、大変でしたね。専門は眼科ですが、医療系ですから全身のことを学んでから、眼について詳しく勉強していくので、学ぶ内容はとても幅広く、科目が多かったです。勉強はもともと得意な方ではなかったのですが、3年間、頑張りました。また、就職をしてからすぐ役立つ、実践力をつける授業を先生方がしてくださるので、その分採点も厳しく、それを乗り越えていくのが大変でした。学生同士ですが、本当の患者さんと同じ方法で検査をする実技試験は、やっておいてよかったと思います。厳しかったからこそ、初めて臨床に出たときにはスムーズに検査ができました。もちろん、緊張はしますが、それでもあせらずにできたのは実習のおかげだと思います。

患者さんに親身になれる視能訓練士になりたい

1日の仕事は、9時から12時くらいまで、外来の患者さんの視力検査、眼圧検査、その他の眼下一般の検査を行います。午後は予約制で小児の検査と視野検査を行います。視能訓練士を目指していた当初は、視能訓練士の仕事は一般的な視力検査などの検査をするだけだと思っていました。しかし、たとえば弱視などの患者さんとは長くおつきあいできる仕事なので、やりがいがある仕事と思っています。多い人では3ヶ月に1回の頻度で来院されるので、顔も覚えていただけますし、来るたびに心を開いてくれるのもうれしいです。そして、グングン視力が良くなっていく姿を見られること、それに対してありがとうと言ってもらえることがやりがいになっています。また、決まった検査をするのも仕事ですが、意思とコミュニケーションをとりながら、さらに必要と思われる検査を提案できることも大きなやりがいです。私は、患者さんに親身になってあげられる視能訓練士になりたいと思っています。患者さんやその家族の方は病気に関する知識がなくて、いろいろな心配をされてくる方もいらっしゃるので、その不安を取り除いてあげられるアドバイスができるようになりたいです。だから、毎日が勉強です。