なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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先輩を知る

私たちの仕事が 患者様の生きる糧になれたらうれしいです

多々良恵美さん医療技術者 (細胞培養) 柴田伸江さん医療技術者 (品質検査)株式会社メディネット

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

多々良 恵美さん

大学を中退して悩んだが、やはり好きな科学や研究に進みたいと進学

母方の家系がみんな医療関係の仕事についていまして、病院で働きたいと思っていたのですが、高校時代に将来何になろうと思った時に、自分が好きな生物や化学などの理系のお仕事がやりたいと思い、看護師さんやお医者さんではなくて、科学者とか研究とか、そういう方面で仕事を考えるようになりました。そして、大学の薬学部に進みましたが、体を壊して中退したんです。一時期、こういう道は向いていないのかと悩んだりしましたが、やはり医療系に進みたいと思い、東京医薬専門学校へ入り直しました。3年制で、3年目に学外研修があり、現場を経験することで仕事に対して深く考えられると思ったのが、きかっけですね。また、学校見学に行ったとき、とても雰囲気がよかったことも東京医薬に進んだ理由です。

学外研修での悔しい経験が、今の粘り強さにつながっている

学校では、学外研修がとても勉強になりました。東京医科歯科大学の研究室でいろいろな仕事を体験でき、視野が広がりましたね。まだまだ勉強が足りないことも自覚できましたし、英語ができないと大変な分野だということもわかりました。2年間の授業で実習の経験を積んできましたが、3年生の学外研修の1年間で、それ以上に多くのことを体験できました。また、研修中に学会に連れて行っていただいたのですが、何度も練習を積んで行ったのに、学会では質疑応答に応えられず、すごく悔しい思いをしました。あのときのあの悔しい思いが、今の私の粘り強さにつながっていると思います。東京医科歯科大学の研修では専門が免疫学で、もっと免疫学について知りたいと思い、今の仕事に繋がっています。就職は、学校での企業説明会にメディネットの方が参加されて、そこでお話を聞いてエントリーしました。メディネットの仕事は研究ではなくて、臨床。それが自分に向いていると思いましたし、医療現場に少しでも近づきたいと思ったことが就職を希望した一番の理由です。

患者様の思いを受け止められる、臨床の仕事

私の仕事は、お客様の血液をいただいて、その血液中の免疫細胞を増やし、活性化させる工程を担っています。ここは研究ではなく臨床、またクリニックに併設されていますから、患者様から直接お話を聞くこともあり、どうしても投与したいという思いも受け止めることができます。とてもやりがいがある仕事です。患者様に喜んでいただけ、また生きる上での糧となれるのであればうれしいでし、患者様に免疫細胞をお届けしたい、という気持ちで仕事をしています。そのために、今も放送大学で科目を履修して知識を深めているところです。免疫学はもちろん、細胞生物学、また困難にあったときどう立ち向かうか(笑)の講義を受けたりして知識を増やすように心がけています。それは仕事のためと自分のための両方ですね。今は後輩をまとめる立場にもなり、スタッフ管理が重要な仕事になってきました。それがしっかりできれば、安定した技術になりますから。また、培養部門と検査部門の連携、チームワークが大切、患者様に確実に薬剤を届けるために。

柴田 伸江さん

学外研修で仕事の大変さと、一つひとつの大切さを学んだ

母が看護士をしていたので、私も中学生のときから、医療関係の仕事に就いて、患者さんのために何かをしたい、役に立ちたいと思っていました。東京医薬専門学校に進学を決めたのは、バイオテクノロジーの学科があったから。また、他の学校は2年制でしたが、東京医薬は3年制でしたので、そこに惹かれました。学校の授業で一番心に残っているのは、学外研修です。研修先の東京精神医学研究所では、毎日同じ仕事をしました。そして、安定的に同じ結果を出さないといけないのですが、毎日同じことをしているのにも関わらず、うまく結果が出て来ず、辛い思いをしました。結局1年間やってもうまくいかないこともあり、仕事の大変さを学びました。また仕事では、患者さんからの献体、ボランティアでいただいた血液を使わせていただいたのですが、うまく結果が出せずにせっかくいただいた血液をダメにしてしまうことになり、本当にもったいないことをしてしまった経験から、一つひとつの大切さも学びました。これは現在の仕事に通じるものがあります。知識と技術をあげて行きたいと思います。

「オーダーメイド治療」に興味があり、転職

私は、品質検査を担当しています。多々良さんは細胞を増やす仕事をしていますが、その間でサンプルをもらい、ばい菌が入っていないかを調べたり、点滴剤にした時に菌の毒素が入っていないかを調べる最終段階の仕事もしています。仕事で大切なのは、安全性です。絶対間違ってはいけないので、検査が確実に行えるように心がけています。私の仕事では、患者さんと直接お話する機会は少ないのですが、患者さんの情報を観たときに細胞が増えているかどうかがわかるんです。だんだん元気になられているのかな、治療が効いて元気になっているのかなと思えて、そんなときにこの仕事をしてよかったと感じています。実は私は、製薬会社に3年半働いてから、この会社に転職しました。それは、この会社が行っている、患者さんやその症例に応じた細胞加工方法や治療計画がすべて異なる「オーダーメイド医療」に興味があったからです。「オーダーメイド医療」は東京医薬専門学校の3年のときに知って、興味を持っていました。当時、研究段階で行っている企業はありましたが、この会社は実際の医療として実現していることが魅力でした。これからは、今の検査の仕事だけでなく、培養の仕事も覚えて、知識と技術をあげて行きたいと思います。

多々良さん、柴田さんの職場

株式会社メディネット

先端医療であるがんの免疫細胞療法を、希望すれば誰もが受けられる普及医療とするために、医療機関に対して免疫細胞療法の実施に必要な技術・ノウハウ、施設、資材、専門技術者、システム等を包括的に提供するトータルソリューションサービスを行っている。