なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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先輩を知る

いかに成果を出していくかがやりがい。
企業にも社会にもいい影響が与えられる仕事です

斉藤 洋平さん微量分析 (株式会社住化分析センター)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

微量領域の分析・評価が、製品や企業の成長に貢献しています

私たちの会社では、水質、土壌、ダイオキシンなどの環境分野から、半導体などの電子分野、医療品関係など幅広い分野の分析、評価を行っています。僕は、電子分野、半導体関係の評価をメインでやっています。ゆくゆくはパソコンや携帯電話の中に入っていくものなのですが僕が扱うのはもっと前の原料の金属量を分析・評価します。部署名の字の如く、微量領域の仕事です。よく言われる割合の単位で、%、ppm、ppbがあってさらにppt(1兆個に一個の割合)があるんですが、そのpptの領域での仕事になります。お客様よりいただく試料には原料や試薬など多くの種類があります。その試料の中にどんな金属があるのか、またどのくらいの量があるのかなどを報告します。お客様にも製品の基準がありますから、かなりの不純物がある場合、小型化しているICチップなどの製品に動作不具合などその後の工程に影響を与えてしまいます。そこで、私たちが分析・評価を行うことで、品質の向上および製品の成長に貢献していく。そういう仕事をしています。

卒業研究は仕事のプロセスに乗っ取ったリアル教育でした

僕の通った高校は理系ではなく、英語の授業がメインの国際科でした。国際科といっても3年のときに文系、理系コースを選べました。そんなとき相談にのってくれた化学の先生と運命的な出会いをし、迷わず理系コースへ。そして、好きだった生物や化学を専門的に学び、仕事につけたらいいなと思い始めました。進学先を探していたところ東京医薬を見つけました、体験入学に何回も行って、先生方と仲良くなれたことや、無菌室、実験室などの設備が非常に整っており、面白いことができるだろうと思い大学ではなく東京医薬専門学校に進もうと決めました。思った通り、学生生活はとっても充実していました。特に講師の先生方が個性的で、また人柄の良さからとても楽しく過ごせました。思い出深いのは、卒業研究。グループ単位で活動し、基本的には自分たちで計画をたて、相談しながら結果を出していく、そして最後はみんなの前で成果発表。この1年間が今の会社生活でも役に立つ1年だったと思います。会社ではお客様から依頼を受けそれをどうやって対応するか、メンバーとどのように分担するかですから、そういうところに活かされていると思います。仕事のプロセスに乗っ取っていますね。教えて欲しいこと、手助けして欲しいところは講師の先生が、会社であれば先輩の方や管理職の方がアドバイスしてくれる。チームの中にリーダーを立てて進めていくというのは、会社に入って思ったのですが、リアルな教育だったと思います。だから、僕みたいに優等生でなくても、こういう大きい企業に就職してからも戸惑いや不安などを感じることは少なかったです。

目標は自分を高めること、そしてチームで成果を出すこと

入社して配属されたチームの先輩が非常に良かったのです。どちらかというと職人肌の人や背中で語っている人ばかり。普通だと「最悪」なんでしょう。ところが仕事以外ではとっても優しく、メリハリのある会社生活をスタートできました。しかも1人の先輩は東京医薬の出身だったのです。とってもよくしてくれて、細かくいろいろ教えてくれました。時には難しい話もあったのでその話についていくため自分なりに努力しました。その繰り返しで仕事を身に付けていけたのだと思います。今の仕事で大切なことは、かなり微量領域なので、それを維持すること。我々人間が触ればすぐに微量領域ではなくなってしまいます。ですからその扱いですね。例えば、お客様で問題が起こるとそれがご依頼になります。その分析対象物も一つしかないこともざらです、替えがきかないので扱いに細心の注意を払います。たった一つのものなので先読みの能力というか、こうやったらこうなってしまうという危険予知をしっかりしながら非常に大切に扱います。たくさんあればいろいろと試したりしますけれど、一個しかない場合はどれをチョイスするか、どう扱うか、そこを考えながら仕事をしています。また、雑誌や本などを見ては、こういう工程で進んで最終的にはこうなる。僕たちはこの部分の仕事をしているのだということも勉強もします。お客様の最終目標を視野に入れないと何をご協力すればよいのかわからないので、お客様が求めているものの1歩先くらいで仕事をしないといけません。その仕事の結果として、パソコンが小さくなったり、価格が安くなったり、また太陽電池関係の仕事をすることで、皆さんとは違う角度からECOに貢献できていると思います。今はチームリーダーとして、いかにチームで成果を出していくかにやりがいを感じています。自分を高めて、またチームとしてどんどんよくなっていけば、会社の業績に良い影響を与えますし、社会的および環境的にも良い影響を与えられるのではないかと思っています。

鬼澤斎藤さんの職場

株式会社住化分析センター

土壌調査や水質調査などの環境調査・測定から、創薬の研究支援、医薬品の安全性試験、食品の残留農薬分析まで、環境、電子、医薬品、食品といったあらゆる分野の分析、測定、調査業務を行う、国内最大規模の総合分析会社。