なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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先輩を知る

ありがとうございました」、「助かりました」という

荒井佑子さん調剤薬局事務(ハーブランド薬局中央店勤務)

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大学卒業後、自分が学びたいことが「薬」だとわかりました

母が薬剤師なので、中学生の頃には医療関係の仕事に就きたいと思っていました。薬剤師も仕事の候補にありましたが、母を見ているとちょっと大変そうで。できれば母をサポートする仕事がやりたいと思ったことがこの仕事に就いたきっかけですね。でも、高校生のときには心理学に興味があり、大学に進学して心理学を専攻しました。私が学んだのが、認知に関する心理学。いざ勉強してみると思った以上に難しかったんです。また大学では学問になるので、「分野と自分」。もう少し「人対人」で勉強できたら良かったのですが。そんな思いがあり、就職を考える時期の大学3年、4年のときには、もう1度違う分野を学びたいという希望がありました。就職はやはり医療分野の仕事に就きたいと求人を見てはいたのですが、なかなか自分が行こうと思う就職先がない。だったら、無理して就職せずに、本当に自分がやりたいことを見つけようと思いました。そして、学費を貯めるために1年間アルバイトをし、その間に専門学校の見学に行きました。その中で、私はやはり医療系へ進みたいこと、また薬について勉強したいことが分かったので、学校探しはその分野へ絞りました。東京医薬専門学校に決めた一番の決め手は、病院薬局コースがあったことです。また、実家から一番通いやすかったこともポイントでした。

学校で学んだことが仕事に活きています

学校はすごく楽しかったんですよ。そして今、勉強したことが仕事で活かされています。調剤薬局は薬の価格(薬価)を算定しないといけないんです。調剤報酬という算定方法があるんですが、学校ではそれをとても時間かけて学びました。調剤報酬を全然知らないで仕事に就くのと、ちょっとでも知っていて仕事に就くのとは全然違います。今の仕事に一番、活かされていますね。どの薬局さんでもそうですが、月末になると報酬を請求するための事務がすごく大変なんですよ。それをもう1名の事務と2人で協力してやり遂げた時は、やった!という達成感を感じています。1ヶ月終わったって。ただ、毎月毎月なので、またかと言う気持ちもありますが(笑)。調剤報酬は2年に1回改訂があるので、計算の方法を仕事に就いてからも、勉強しなくてはなりません。また、日常にもたまにしか出ないお薬は算定が難しく、知らないと点数が出せないようなお薬もあるので、学校からいただいた本を見直すとか、インターネットで調べたりと、定期的に勉強をしています。

お待たせしないことを心がけています

日々の仕事は、基本的には患者さんから処方箋を受けとって、それをパソコンに入力して調剤室に渡し、またお薬を用意して患者さんにお渡しするまでですね。受付業務のほか、店頭で扱っている商品は様々です。患者さんにご相談いただいて説明をして、自分がすすめた商品を買っていってもらえたときはうれしいですね。OTC薬品(※)にも興味がありますし、調剤薬局にもひとり登録販売者がいた方がよいですし、商品のお薦めもできるので、今、登録販売者の試験に挑戦しているところです。
仕事のやりがいを感じるのは、患者さんから帰り際に、「ありがとうございます」とか「助かりました」とお声掛けいただいたりするときですね。また、この薬局は妊婦さんが多いので、その後にお子さんを連れていらっしゃったときには「ああ、生まれたんだな」と、陰ながら見ていてうれしいなと思います。仕事で心がけているのが、患者さんは病院でもけっこう長く待っている方が多いので、できれば薬局ではお待たせしないように早く薬を出すことです。私は仕事の手際がよくないので、もっとテキパキと仕事ができるようになりたいです。

:OTC薬品・・・一般用医薬品のことで、医師の処方がなくても薬局や薬店、ドラッグストアで購入できる医薬品