なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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不安げだった家族の表情が、最後は笑顔に変わる。それがこの仕事をやっていてよかったと思う瞬間

根本 かおりさん精神科ソーシャルワーカー(精神科病院 東所沢病院)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

その人らしいライフスタイルを見つけるために私ができること

私は大学で社会福祉を専攻していたのですが、実習先でたまたま精神障がいを持った子どもたちと出会ったことが、この道を志すきっかけとなりました。「この子どもたちのために、私にもできることがきっとあるはずだ」と、生活支援の大切さを痛感したんです。そして、大学卒業後に専門学校に入学。勉強は大変でしたが、プロの精神科ソーシャルワーカーになりたい一心で頑張りました。

病院での主な業務は、患者さんの病状の把握、退院後の生活援助プランの作成などです。さらに、それらを実践するために必要な各種サービス機関との連絡調整や、障害者手帳の申請、介護保険制度の活用といった高齢者福祉の分野まで、やることは本当にたくさんあります。でも、それが楽しくもあり、仕事の幅が毎日広がっているような感じで、とても充実しています。

自分に任される仕事の中でも、中心となっているのが相談業務。相談者の多くは、患者さんのご家族ですね。皆さん、患者さんのことをとても心配されていますし、退院後の介護についても不安を抱えていらっしゃいます。私の仕事は、そんなご家族に寄り添いながら、一緒に解決策を考えること。その人らしいライフスタイルを見つけるために、私ができることは何か、いつも考えています。自分が相談にのり、助言をすることで、最初は不安げだったご家族の表情が、最後には笑顔に変わる。その瞬間を目の当たりにするたびに、この仕事を選んでよかったなと実感しています。