なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム
薬を通して人の役に立ちたいと思う人に向いている仕事です

A.Gさん登録販売者(セガミメディクス株式会社)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

進路で悩んでいるときに、専門学校で登録販売者の資格に出会った

「以前、処方された薬がたまたま私に合わなくて、気持ち悪くなってしまってことがあり、「なんでだろう? 薬ってどうやって効いていくんだろう?」と不思議に思い、薬をもっと知りたいと思ったことがきっかけで、大学に進んで薬剤師になろうと決めていました。しかし、私が大学へ入学する年から、薬剤師になるための修業年限が6年に変わってしまい、家庭の事情もあり断念しなくてはなりませんでした。取り寄せていた薬学部のパンフレットに臨床検査技師の資格が掲載されていたことから、臨床検査技師に興味を持ち、短大に進学をしました。ところが、やはり学びたかった薬とは違うと感じ、学校を続けられなくなってしまったんです。それまでの人生で一番悩んだ時期でもありました。そんなときに、たまたま東京医薬専門学校の学校案内が届き、学校見学に行ってみたんです。調剤の仕事に興味があったのですが、学校説明会に行くと新しく「登録販売者」という資格ができることを聞きました。調剤の仕事はお医者様が決めた薬を出す仕事ですが、登録販売者は、お客様から話を聞いて、自分で考えて商品を出すことができるのです。「私がやりたいのは、この仕事だ!」と思いました。この資格ができたことは、タイミングがすごくよかったですね。

勉強は苦手だが、頑張った2年間

同じクラスには意識の高い人が多かったですね。年上の人や主婦の人もいて、そういう人たちと一緒に学ぶ経験ができたことで視野が広がりました。授業が終わったあとも、私は聞きたいことがあると、これでもかっていうくらい先生に食い下がって聞くこともありました。どうしてこんなに勉強しているんだろう?というくらい(笑)。薬を学べることが本当に楽しく、短大のときのように悩むことは全くありませんでした。資格も早く取りたかったので、クラスのみんなは2年生の9月、10月に受けるなか、私は8月の一番早い試験を受けたんです。合格したときは、一足早くホッとしました。働きながら資格を目指す人もいますが、実習も経験するなかで思ったのは、私は仕事をしながら登録販売者の資格はとれなかっただろうということ。仕事で疲れてしまって、夜は勉強どころではなかったですから。学校で資格を目指してよかったと思います。また、ドラッグストアで働くのであれば必須の資格です。登録販売者が店にいないと、お店を開けていられませんから。

「ありがとう」という言葉を聞くと、少しでもお役に立てたという喜びが湧きます

就職したセガミメディクスは、ずっと実習でお世話になり、実習が終わったあともアルバイトをしていました。せっかく仕事も覚えたところでしたし,店長の推薦もいただけたこともあり、就職することになりました。実習を始めた頃は、ドラッグストアの仕事は薬に関わることだけではないので、こんな仕事もあるのかと驚くこともありましたが、1回お客様から感謝の言葉をいただくと、喜びでいっぱいになりました。お店ではいろいろなことを聞かれます。「朝起きたら、足がこんなにはれてしまった」とか「さっき、ころんでしまったんです」とお客様がいらっしゃる。どうしよう?と思いながらも一生懸命考えて「この薬がいいと思います」とお出ししています。ですから、「あの薬は良かったよ」、「ありがとう」と言っていただけると、少しでもお客様のお役にたてたのではないかとうれしく思います。

この仕事は、薬に興味があり、薬を通して人の健康に役立ちたいと思っている人に向いていると思います。聞かれたことにすぐにお答えするということはすぐにはできないことなので、常に勉強しなくてはいけないと思います。まだまだ知らないことだらけですから。また、何千年前からあり、今でも使われている薬である漢方にもとても興味があります。すごく不思議だと思いますし、現代の薬とは違うものだと思うんです。同じ冷え性の人でも、冷えの強い人にはこの薬、のぼせ気味の人にはこちらの処方が向いているというものがあり、勉強してみたいと思っています。この仕事を目指したきっかけの通り、「なぜ?」と考えるのが好きなんですよね。