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仕事を知る

音楽プロデューサーとは

ヒット曲を生み出す歌の仕掛人

音楽プロデューサーとは、CDをはじめとした音楽メディアや、コンサート企画などのなかで音楽制作面全般を指揮する人のこと。もしくは新人アーティストの発掘をはじめ、音楽へのアプローチ方法や方向づけを決めて作詞・作曲家の選定、売り出し方にいたるまでをプロシュースする人のことです。
CDショップなどで販売されている音楽メディアには、「企画意図」というものがあります。それはレコード会社が、誰をターゲットにして、どのように曲を売るかといった戦略のことです。たとえば、2月は「卒業」をテーマに、11月は「クリスマス」をテーマに曲を発売する。またはドラマの主題歌やCMソングなど放送業界とタイアップしたり、まだ世に出ていない新人アーティストの曲をリリースするなど、世の中の動向にあわせて様々な「CDの企画」が考えられています。
音楽プロデューサーの仕事は、このような企画に沿って、アーティストの魅力を最大限に引き出し、商品価値のある楽曲を作り、販売することです。ベテランの歌手から、まだデビューしていない素人ミュージシャンまで、アーティストのCD制作全般にかかわり、大勢のスタッフとともに音楽制作をして、曲のプロデュースを手がけます。プロデューサー自身が楽曲の作詞・作曲・編曲を手掛けたり、アーティスト自身のプロデュースをすることもあります。また、楽曲制作のクリエーティブな部分には携わらず、CD制作の企画制作から販売までの責任を持つ「プロデューサー」という仕事もあり、レコード会社の社員は、後者になります。

今までは、レコード会社が主になって制作することが多かったのですが、近ごろは外部である音楽出版社やプロダクションと一緒にCD作りを行う機会も多くなっています。音楽出版社でプロデューサーとして活躍したり、レコーディングエンジニアがプロデューサーも兼業したりする場合もあります。また、有名ミュージシャンや作曲家などがフリーのプロデューサーに転身したり、ミュージシャン活動と平行してプロデュース活動をしている場合もあり、プロデューサーとしての活躍の場は多岐にわたります。
また、デジタル化が進んだことにより、インターネットや携帯コンテンツなどで音楽ビジネスが浸透してきました。大手レコード会社やベンチャ−企業が、それぞれデジタル音楽配信会社を設立しています。それにともない、より注目され、需要が増す職種になると予想されます。

SPECIAL INTERVIEW

音楽プロデューサーの魅力

サウンドプロデューサーのすばらしさは音楽が完成する最高の瞬間に立ち会えること

杉山 勇司さん

プロフィール

レコーディング・エンジニア
サウンド・プロデューサー
SRエンジニアからキャリアをスタート。その後レコーディング・エンジニア/プロデューサーとして多数のアーティストを手がける。主な担当アーティストは、ナーヴ・カッツェ、藤原ヒロシ、X JAPAN、L‘Arc~en~Ciel、dropzなど。著書に「レコーディング/ミキシングの全知識」、CD作品に『Temptations of Logik Freaks』(ビクター) がある。

音楽を作る、本当のコアな部分に関われる

新しい曲が完成する瞬間に誰よりも早く立ち会えるのは、この仕事ならではの醍醐味だと思います。サウンド・プロデューサーだからこそ、いい曲をいい音で録音できて、最終的に素晴らしい音楽になるという奇跡が起こった時には心の底から感動できる。作曲者よりも、アーティストよりも、自分が一番感動しているんじゃないかと思う時もありますよ。本当に音楽作りのコアの部分にまで関われる所が魅力ですね。そして、本当に素晴らしい曲やミュージシャンに出会うと、好き嫌いなど自分の好みの問題とは関係なく、その音楽を好きになれるのです。

すばらしい音楽が完成した時には、いつ世界が終ってもいい、もうこのまま死んでもいいとさえ思えますしね。音楽を作る上では、作詞家も作曲家もミキサーもプロデューサーも皆同じ立場。皆音楽が好きで、素晴らしい音楽を作るという最終目標に向けて、それぞれプロとして最善を尽くしている。プロデューサーも、プロデューサーとしての自分の得意分野を活かして音楽作りをしているんです。アーティストや他のスタッフ達と一緒に。少なくとも僕はそう思っています。 この仕事の一番の魅力は、音楽にとても深く関われるということです。誰よりも音楽が好きだと思う人は、ぜひプロデューサーを目指してみて下さい。いつか一緒に仕事をしましょう!