なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム
保育の資格、医療知職、お母様とお子様の心理ケア、病児保育にやりがいを感じています

安藤 恵美子さん保育士 (医療法人社団日洸風会 荒井クリニック キッズメディカルス
テーション) (病児・病後児保育質)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

介護福祉士として8年間務めたあと、保育士の資格を目指して専門学校へ

介護福祉士として、特別介護老人ホームで8年間働いていました。私は昔から乳児院か児童養護施設で働きたいと思っていました。そもそも目指したきっかけはよく覚えていませんが、テレビドラマの影響だったと思います。赤ちゃんはもともと大好きで、そこから身寄りのないお子様の力になりたいと思ったんです。そして、高校3年生の進路を決める時期に、これからは少子高齢化であることや、児童養護施設にはいろいろ悩みを抱えた18歳までの子たちもいるので、専門学校を卒業したばかりの20歳では精神的にも大変だから、まずはいろいろ経験してからその仕事に戻った方がいいだろうと高校の担任の先生からお話をいただき、介護福祉士になるための専門学校へ進みました。もともとは3年間働こうと考えていたんですが、8年間働きました。仕事はとても楽しかったです。辞める理由がなかったほど。しかし、仕事に慣れてくると、資格が欲しいなと思い始めたんです。一度夢見た保育士の資格を穫りたいなと考えました。

実習を通して自分の適性が実習でわかり、それを就職に繋げられた

医療や心理も学びたかったので、保育士だけでなく、手話通訳や臨床心理士など、たくさんの専門学校に資料請求をしました。届いたパンフレットを見たら、東京医薬専門学校のこども心理科には、医療系、心理系のカリキュラムがあったんです。もちろん、保育も学びたかったので、その3つが学べる唯一の学校だった東京医薬専門学校に進みました。あとで知ったんですが、私が介護福祉士の勉強をした埼玉福祉専門学校の姉妹校でした。東京医薬では、座学だけでなく、実技の授業がとても多かったので、全部が楽しかったですね。クラスのみんなも仲が良かったので。ほとんどが高校を卒業したばかりでしたが、何の問題もなく…(笑)。そのなかでも、実習の数が多いこと、いろいろな現場実習に行けたことがよかったですね。クラスメイトの中には、自分ではコレがやりたいと思って入学しても、実際にやってみたら自分には合わないということがわかったる人もいました。私は自分の適性が実習でわかり、就職に繋げられたことが一番よかったです。入学したときには、乳児院や児童擁護施設で働きたいと思っていましたが、病児保育実習を行うとともに、医療系の授業を受けるなかで、医療系はノーマークだったので、経験してみたいと思ったんです。この病院は実習のときにすごく雰囲気が良かったので、就職したいと思いました。

病気やケガで通常の幼稚園や保育園に行けないお子様のための病児保育施設

ここは、病児・病後児保育施設で、病気やケガで通常の幼稚園や保育園には通えない、就学前までのお子様が来ます。1日定員が5名ですが、病気やお子様の年齢によって、受け入れ人数が変わります。仕事は朝8時半から午後5時半まで。前準備があるので、いつも8時すぎには出勤、17時半に最後のお母様のお迎えのあと、片付けや消毒、明日の準備をしますので、平均して18時半に仕事が終わります。まず、朝はお母様からの受け入れで、病状確認をします。どんな生活をしているのか、病気の発症の経緯、処方された薬についても伺います。そして、最初にお子様の検温をします。その後は、おやつ。アレルギーのお子様もいるので、一人ひとりに合わせたおやつを用意します。その後は、お子様によっては早い時間に寝かせたり、寝ない子とは一緒に遊んだりします。そして昼ご飯。そのあとはお昼寝ですが、すべて一人ひとりに合わせて。午睡のあとは、またおやつ。そして、夕方お迎えに来たときに合わせて、お母様に申し送りをします。検温をはじめ、今日一日、どのような生活をしたかや、1日1回、必ず診察がありますので、その結果もお伝えします。これが一日の仕事の流れです。最初は、薬や睡眠時間をお母様方から聞き忘れるなど、失敗ばかりでした。普通の保育士さんも大変だと思いますが、病児保育は薬をはじめ病気についての臨床系の知識も必要ですし、病気のお子様を抱えながら仕事をしていかなくてはならないお母様方のメンタルケアも必要となります。大変ですが、やりがいはありますね。

心がけているのは「笑顔」。信頼される保育士を目指して

仕事をする上で心がけていることのなかで、一番はお子様の病状を悪化させないでご家庭に返すことです。前日に明日は誰が入るのかがわかっているときには、家に帰ってその病気について調べたり、周りの先輩にどのようにしたらよいのかを聞くようにしています。また、病気が移らないようにしなくてはならないので、体調管理も大切ですね。まだまだ勉強中ですが、医療知識は欲しいと思っているので、ここで学ばせていただきながら、仕事をしていきたいと思っています。そして、将来は乳児院に行けたらいいなと思っています。今は、お母様方からもお子様からも信頼される保育士になりたいです。それは、人としても、保育のやり方でも。お母様が病気のお子様を預けることは、とても不安です。特に初めて来られる方は心配ですし、初めて会った保育士について「この人、大丈夫かしら?」と思われないように。ここでは、どの保育士に預けても、誰が対応しても安心だと思っていただけるようになりたいです。そのために心がけているのは「笑顔」です。「今日預けてよかったです」とか「本当に助かりました。安心して仕事ができました」とお母様が帰ってくださったり、お子様も病気のためにここにくるので、本来ならば来ない方がいいんですけれど、そのお子様が「楽しかった、また来たい」って言って帰るときには、よかったなと思います。この仕事に興味のある人は、保育の資格、医療の知識、病気のお子様の心理ケア、お母様方の心理ケアなど、すごくやりがいがありますし、まだ数も少ないので、是非目指してほしいと思います。