なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム
コーヒーの奥深い魅力をお客様に知って頂く、それが今の私の仕事です

山本 高宏さんバリスタ 豆藏 (愛知県岡崎市)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

自分で1から何かを作りたいと、26歳で入学

大学を卒業後、約1年間企業に勤めていました。そこで感じたのは、企業という組織の中で歯車となって働くのではなく、「自分で何か作り出していきたい」ということ。そして自分には何ができるんだろうと考えました。自分で1からすべて作りたい。そこで考えたのが、カフェのプロデュースでした。カフェについて特化して学べば強みになるだろうという考えで、大阪にカフェの学校があると知り、キャリナリー製菓調理 大阪校に26歳のときに入学しました。当日、僕のクラスの学生は、高卒と社会人経験者が半々。いろいろな人がいて、なかには僕のお父さんくらいの年齢のクラスメイトもいました。社会の話に聞けましたし、そういう人たちとの出会いや話は、僕の糧になりました。企業課題にも挑戦したときも、コンセプトを作って、そこからいろいろなことを発展させていくなかで、自分では思いつかなかったような意見が聞けました。社会人経験者は個性が強い人が多いので、そういう人たちの意見をなるほどなと吸収することができました。

在学中のコンテスト出場でコーヒーの世界に魅せられた

コーヒーとかバリスタではなく、カフェのプロデュースを学ぼうと入学したのですが、コーヒーに魅せられたのは、在校中のJBC(ジャパン バリスタ チャンピオンシップ)出場がきっかけでした。他の学生たちより多く練習をしていましたので、味にも技にも自信があり、自ら立候補したんです。しかし、プロの味と技を知ってその差に愕然としました。また、日常ではできていたことが、違う空間になるとできなくなってしまう恐怖を味わいました。結果は150人中、最後から数番目という結果。しかし、もっとコーヒーを究めたくなってしまいました。卒業して6年経ちますが、今もコーヒーに夢中です。豆の種類・生産農園はもちろん、焙煎法や淹れ方でも味が変わる。繊細だからこそ楽しみ方にも幅があるコーヒー。その奥深い魅力を知っていただく、それが今の私の仕事だと思っています。

コーヒーを飲むために訪れるお店を作りたい

就職を考える時期になり、学校のキャリアセンターに行ったところ、愛知県岡崎市からの求人票がありました。僕は岡崎市の隣の市の出身ですので「豆像」を知っていましたが、学校の人たちは全く知らない。大阪の学校に愛知県の求人?と思いながらも、これも何かの縁だと、受けてみることにしました。入社当時は、がむしゃらに働きました。働くことを走ることに例えると、100メートル走のスピードでずっと働いているようなもの。仕事が終わって家に帰るとすぐに寝てしまう毎日。でも、一生懸命やってそれに慣れてくると、頑張らなくても体が自然と動くようになる。そうなると、頭の中は次のこと、次のことを考えられる。先を考えられるようになるんです。半年から1年くらいで、余裕ができましたね。入社したときは、長くつとめるつもりはなかったんです。2,3年ですべてのことを吸収てお店を持ちたいと思っていたから、最初からトップスピードで走るしかなかったんです。学生時代にも、自分の興味のあることは自分から積極的に聞きに行く学生でした。仕事でもそうですが、自分から求めないと、どん欲に行かないと。目標は、最初に考えた通り、自分のお店を持たなきゃいけないと思うんです。ワインだったら、国や品種,ワイナリーなどにこだわっている人がたくさんいますが、コーヒーの場合にはまだまだ少ないのが現状ですから、一般の人のコーヒーの価値を上げたいんです。時間をつぶすために来る喫茶店はなく、コーヒーを飲むために喫茶店に来る。コーヒーの魅力を伝えられる、そんなお店を作りたいと思います。