なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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キーワードは、ユーザーが楽しくなる、幸せになる、元気になる。そんなゲームソフトを作ることが目標

木本 一輝さんゲームプログラマー(株式会社サイバーコネクトツー)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

コントローラーでキャラクターを動かせるテレビゲームに驚いた

幼いときからモノを作ったり、オモチャで遊ぶことが大好きでした。それで、将来はオモチャ会社に就職したいという夢を抱いていました。ところが小学生のとき、任天堂のファミリーコンピュータ、その後継機スーパーファミコンなどのテレビゲーム機が続々と登場。任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」やデータイーストの「バギーホッパー」に夢中になりました。それはこれまで遊んだすごろくや「人生ゲーム」などのボードゲームとは全く違っていました。自分がテレビに向かって、コントローラーを操作することでキャラクターを自由に動かすことができることが、何よりも驚きでした。そして、ゲーム業界への就職を具体的に意識し、確信したのは高校生のとき。アクションの爽快感やスピード感を感じたセガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のようなゲームソフトを開発したいと思ったのが決め手でした。そして、迷うことなくゲームプログラマーを目指して福岡コミュニケーションアート専門学校へ入学しました。

スタッフ間のコミュニケーションがないとよいゲームは生まれない

学校では、ゲームプログラムや数学などを学びました。またクラスの仲間とチームを組んで作品制作に没頭しました。作品づくりでは、自分が作りたいものと仲間が作りたいもので違いがあり、意見がぶつかることもしばしばありました。だから、それぞれの意見をひとつにまとめあげ、ストーリーを持たせ、作品に仕上げるのは、至難の業。同時に、自分のアイデアをどうすれば仲間に伝えることができるのか、あるいはそのアイデアを相手に伝える技術や言葉を知らなかった自分がもどかしくて、悩んだこともありました。そうした学生時代の苦しくも楽しい経験が、いま、仕事上で同僚スタッフの意見を尊重し、円滑に仕事を進めることにつながっています。ゲームソフト開発では、アイデア段階からキャラクターの設定、サウンド、ゲームシステム、プログラムまでのすべての工程を社内のチームで作り込みます。一人ひとりがどんなに力があっても、スタッフ同士のコミュニケーションがなければよいゲームは生まれません。仕事に就いた今、改めてコミュニケーションの大切さを感じています。

ユーザーからの声には「ドキドキ感」でいっぱい

ゲーム開発において大切にしているのは、「自分がおもしろいと思って開発したゲームソフトを、ユーザーも同じようにそのおもしろさを共有できること」です。以前、自分が開発に関わったゲームソフトの発売日に、こっそりと店に出かけたことがあります。どんな人がゲームソフトを買うのか、その反応を確かめたかったし、ゲームソフトの売れ行きは現場を見ると一目でわかりますから。商品を手に満足げに帰るユーザーを見ると、感動や喜びがこみ上げてきます。また、インターネットでユーザーから集まってくる声には、ドキドキ感で一杯です。だから、新作に取り組むたびに新鮮な気持ちで、前作よりももっと品質の高いもの、そしてもっとおもしろいものを追求したいとパワーをみなぎらせています。今後は、ユーザーが遊んで楽しくなる、幸せになる、元気になるをキーワードにゲームソフトを作ることが目標です。みなさんの明日の活力になるようなおもしろいゲームを作りたい。たとえば、ゲームという概念を、ユーザー一人のプレーヤーで楽しむような狭い意味のものではなく、もっと広い意味で父と子や家族がゲームを通してコミュニケーションをはかる手段となるようなゲームソフトの開発にも挑戦したいです。

木本さんの職場

株式会社サイバーコネクトツー

福岡県から世界中の幅広いユーザー層に向けて「おもしろい」、「楽しい」を発信するサイバーコネクトツー。『子供たちから絶大な支持を集める人気テレビアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」を題材としたアクションゲーム「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメット」シリーズをはじめ、多数の人気ゲームを開発している。