なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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夢を叶えた先輩たち

一度やったらやめられない。強い魅力を秘めた人間らしい職業、それが俳優。

内田 悠一さん

2010年 舞台「キミドリ」シアターコクーン
2010年 舞台「FREAKS」東京芸術劇場
2010年 舞台「ジャンヌダルク」赤坂ACTシアター

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

舞台で演じているときが「生きている」と実感できる最高の瞬間。

俳優というのは一番「人間らしい職業」だと思います。人前に出てお芝居をするのはこわいことですが、やはり舞台は直接お客さんと繋がることができるので好きですね。お客さんの反応がダイレクトに伝わってくるので、舞台の上で演じているときが一番生きているという感じがします。特に本番の直前は、最高にワクワクして興奮する瞬間です。一回舞台に立つとやめられなくなります! また、役作りをする作業も好きですね。ある特定の人物を分析して役作りをしていくのは、まるでパズルを解くような作業でとても楽しいです。ただ、演じるときは自分とは全く別の人を演じるのではなく、自分の中にあるものからその役の似たような部分を引き出して、そこに合わせるようにしています。役とひとつになれたと感じるときはすごく嬉しいです。

自分にしかできないことを追求したい。

俳優として心がけていることは、自分は何を求めているか考えることですね。自分をよく知って、自分のオリジナリティーを出していこうと思っています。例えば、アル・パチーノ、ロバート・デニーロ…私が憧れている有名な俳優はたくさんいますが、自分は同じ俳優になれない。楽器と同じだと思うんです。フルートはトランペットの音色は出せない、でもそれぞれの楽器にはその楽器にしか出せない音色がありますよね。自分という楽器が、その楽器の中で一番いい音を出せるように日々鍛錬しています。自分を客観視して持ち味を活かしていきたい。役者として深みのある人物になりたいと思っています。

俳優としてのベースは俳優のステージを愛すること。

俳優を目指している人は、とにかくいろんな作品を見てみてください! 映画、舞台、TVドラマ、など自分の好きなものから世界の名作まで。そして見た作品は監督、メインキャストをノートにメモして一文だけでも感想を書いておくといいと思います。感想は「おもしろかった」「つまらなかった」くらいでいいんです。作品を見て自分の意見を持つことが大事です。それは絶対に将来の財産になると思います。自分の幅を広げるだけではなく、やはり映画や俳優を好きな人たちが集まる業界なので、知識が豊富だと周りの人とのコミュニケーションもうまくとれるし、次の仕事にも繋がっていくと思います。 俳優は芽が出るのにも時間がかかる業界です。俳優という仕事だけではないと思いますが、辛い作業は山のようにあります。そんなときも自分の弱い部分と向き合えること、まわりの人に自分の悪い部分を指摘されたとき素直に向き合えことが大切だと思います。最も大切だと思うのは、映画や舞台を愛する心を持つこと。それが俳優としてのベースになると思います。辛いことがあっても耐えて、続けられる忍耐力は「演じることが好き」という気持ちから生まれるものだと感じているからです。