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なりかたを知る

必要な知識・求められる資質

絶対に俳優になる!その強い信念こそが俳優への近道

俳優になるためには、正しい発声や演技力、台本の読解力など基本的な技術を磨く必要があります。 しかし、最も重要なことは好きな気持ちと自分を信じてあきらめない信念。自分がどんな俳優になりたいのか明確なビジョンを持ち、それにむかって努力ができる情熱を持っていることが大切です。

俳優に必要な基本能力/ジャンルで異なる求められる資質

ドラマ俳優

主役から脇役まで、様々な役があるため個性が大切。

映画俳優

映画の設定により、配役に必要な技術が必要となります。時代劇なら、殺陣(たて)や日舞、音楽を題材にしているものであれば、楽器など様々。多くの観客に見てもらえるよう、カリスマ性と観客を魅了する高い演技力が求められる。

ミュージカル俳優

歌やダンスを行うため、声楽やクラシックバレエ、ジャズダンスなどの技術が必須。

舞台俳優

映像と違い観客が自由に見たい部分を見ることができるため、個性や人を惹きつける演技が必要。舞台にいる観客すべてに聞こえる・見える演技が求められる。

アクション俳優

基礎演技はもちろん、そのほかに殺陣(たて)やスタント技術が必要となり、高い身体能力が必要。

声優

声だけで演じる技術が必要となるため、発声や活舌の良さなどのほかに俳優と同様の演技力が必要とされる。

スーツアクター俳優

殺陣(たて)やスタント技術が必要となり、スーツを着たままでの演技が必要とされるために高い身体能力が求められる。

SPECIAL MESSAGE

「俳優になるために必要なこと」

望月 龍平さん

プロフィール

1997年、劇団四季入団。『キャッツ』、『マンマ・ミーア』、『ウエストサイドストーリー』、『エクウス』、『ライオンキング』、『美女と野獣』など数多くの作品に出演。在団中、演技・ダンス指導などを常に担当。2008年に退団後は、ダンススタジオなどで演出、構成、脚本、振付を手掛ける。東京フィルムセンター映画・俳優専門学校教育顧問

自分の限界を決めないこと。

限界を決めるのは自分です。まわりに「無理だ」と言う人がいるかもしれないが、それよりも自分が「俳優をやるかやらないか」が重要。100%プロになれるなんて誰にもわからないんですよ。でも「絶対に成し遂げる!」「やりきりたい!」「あきらめたくない!」そんな熱い情熱こそが、俳優になるために一番大切なことだと思います。

身のまわりのことに興味を持つ。

俳優にとって必要なことは、自分の感性を磨くこと。それには興味を持つことが非常に重要です。自分の身のまわりや世界で起きていることに、そのつど反応できるアンテナをはりましょう。怒りだったり悲しみだったり喜びだったり…そういった心のアンテナが反応した様々な感情や記憶が演技に活きてきます。身のまわりで何かが起こったときに無感情でいると、自分は何を表現したいのかが見えなくなってしまい「俳優」ではなく演出家や監督の「道具」になってしまう。海外をはじめ様々なフィールドで活躍するために、しっかりと自分の考え自分の意見を伝えられる自立した俳優を目指してください。

自分を顧みて成長していくことが大事。

「俳優・演劇」というものに大志を持って努力していれば夢は叶います。それを持っている人は美しかったり、かっこ良かったりなど自分が「良い役をする」ことが目標にはならないはず。こういう芝居をやって、こういう映画をやって、こういうことを伝えたいとちゃんと考えを持っていると思うんですね。そのように明確にビジョンを持って、自分を磨く作業を怠らず、あきらめなければ、どんな形であれ必ず最後には目標に到達できるものと思っています。優れた教師、演出家、優れた脚本に出会って、いい役に向きあうことで自分が成長できる。役や作品を通して自分を顧みることは、役者としての自分も磨かれていくことに繋がっていると実感しています。

一番好きな演劇を見た時を忘れないで。

私は俳優をやっていたことで救われた部分が多いのですが、お客さんからも「舞台を見て救われた」とお手紙をいただいたことがあります。私自身はただ一生懸命やってただけなんですけどね。舞台に立つことで、誰かに何かを与えられることはものすごい喜びであり、そして私自身が生きる価値を見いだせました。「演劇」をする行為そのものだけでそれは、社会貢献になっていると思うんです。役者をやることは大変なんですが、やっていて良かったと思うし、またやりたいと思ってしまいます。役者を目指している人は、一番最初にこの舞台や場面を好きだと思った気持ちを忘れないでほしい。きっとそれは、俳優になった後でも役に立つと思うから。皆さんと一緒に演劇をできることを楽しみにまっています。