医療機関からスポーツ業界、海外まで
幅広い分野で義肢装具士のニーズが拡大
一つの病院では、義肢装具を使用する患者さんの数はさほど多くないため、義肢装具士のほとんどは、民間の義肢装具製作施設に所属しています。そこから、提携している病院などの医療機関に出向き、医師の指示のもと、また看護師や理学療法士など他の医療職と連携しながら採型や適合などを行います。 他には、部品メーカーやスポーツ用品メーカーで、材料やパーツの開発、競技用のシューズやサポーターといった用具の研究・開発を行ったり、海外の災害地に赴き、現地での義肢装具提供や技術者の育成といった国際協力に携わる人もいます。また、義肢装具士は専門の技術を必要とする職業であり、熟練した技術者が多く存在する、いわば職人の世界であるため、ある程度の経験を積んだら独立する人が多いことも特徴です。
勤務体系 | 160時間/月 ※業務、就業先により異なる |
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収入 | 初年度:年収350万円程度 |
平均年齢 | 35〜40歳 |
就業者の男女比 | 8(男性) : 2(女性) |
※平成22年 日本義肢装具士協会調べ
カンボジアをはじめ東南アジアの諸国では、戦争や紛争で放置された地雷によってからだの一部を失ったり、小児麻痺や感染症、栄養失調などで手足に障害が生じ、現在、約45万人の人たちが義肢や装具を必要としていると言われています。
日本でも、多数の義肢装具士がNGO活動や青年海外協力隊に参加し、義肢装具の制作を行ったり、また、現地での医療システムを整えるため義肢装具士の育成やサポートに携わっています。特に日本の義肢装具技術は世界的にも高く評価されており、義肢装具士は、国内に限らず世界各地で今後ますます求められる職業だといえます。