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仕事を知る

就職先・活躍フィールド

フリーランスが主流となっている中で、企業採用も年々増加中。アジア圏の観光客の急増に伴い、旅行業界では大きな変化が

通訳ガイドの主な就職先

・旅行会社
・旅行代理店

職業データ

就業時間 180時間/月
平均給与 18~21万円/月(初任給)
就業者の男女比 (男性)4:(女性)6

※給与は就業場所や経験年数、スキルによって異なりますので、経験を積んで昇給、ステップアップを目指します

各企業で「総合職」としての採用が増加中

通訳ガイドの仕事は、これまでフリーランスが働き方として主流でした。しかし近年、通訳ガイドを総合職として採用する企業も増えてきています。こうした流れのきっかけをつくったのは、アジア圏からの観光客の増加でした。特に2010年7月よりビザ発給の規制が緩和された中国からの観光客の増加が著しく、1年足らずで中国語が話せる通訳ガイドの需要は一気に上昇。オンシーズンの旅行会社・旅行代理店ではガイドの確保が難しくなるほどとなっています。
そこで各旅行会社や旅行代理店では、繁盛期は通訳ガイドとしてツアーに同行し、オフシーズンはツアーの営業や企画などを行う「総合職」として通訳ガイドを採用する動きが出てきました。
総合職として採用された場合、1年中通訳として働くわけではありませんが、業界全体で仕事が少なくなるオフシーズンもきちんと収入を得ることができる上、営業や企画などの仕事にも挑戦することでキャリアを広げられるというメリットもあります。これまでになかった新しい働き方ですが、今後もアジア圏の観光客は増加すると考えられており、こうした採用方法は緩やかに増えていくと考えてよいでしょう。

経験と実力が評価されるフリーランスの世界

一方で、フリーランスという働き方がなくなったわけではありません。フリーランスとして働く通訳ガイドは、ほとんどが(社)日本観光通訳協会に登録し、自分の能力に見合ったランクを取得します。ランクごと仕事や日当が異なりますが、経験や実績に応じてスポーツ選手の海外遠征に同行したり、国際会議といった非常にスケールの大きな仕事に挑戦することもできるのです。なお、フリーランスの収入は、経験が浅い人で日当は2万〜3万円、ある程度の経験と実力を持った人で日当4万〜5万円程度となっています。

留学生にとって「通訳ガイド」は人気の分野

通訳ガイドを目指しているのは日本人だけではありません。日本に来ている留学生たちにとって、通訳ガイドは人気の職種となっています。すでに母国語+日本語を習得し、国内でガイドとして活躍している方もたくさんいます。今後も国際交流が進むにつれ、こうした動きもさらに大きくなるのではないかと考えられます。

TOPICS!

変化の時を迎えた「通訳ガイドの働き方」

通訳ガイドになるためには「通訳案内士」の資格が必要であり、この資格を所有しない人間が、たとえアルバイトだとしても通訳を行って報酬をもらう行為は、日本では法に触れるとして罰せられます。そのため通訳ガイドとして日本国内で働くためには、誰もが「通訳案内士」の資格を取得しなくてはなりません。
ところが、近年アジア圏からの訪日観光客が急増したことにより、日本政府観光庁の中で、このルールを見直す動きが出始めています。
2010年7月に中国人向けの観光ビサの発給規制が緩和されたことをきっかけに、訪日観光客の中でも中国人観光客の数は著しく増加しました。そのため中国語を話す通訳ガイドの需要も一気に高まり、難関な試験を突破した有資格者の数を上回る結果となっているのが現状です。
そこで、観光庁は平成23年1月に通訳案内士制度の見直案を発表。これまでのように国家資格を取得して通訳ガイドになる他、総合特区に定められた地域では、研修を受けることで有資格者以外も有償ガイドとして働けるよう調整が進められています。現在は取り決めが行われている最中ですが、今後も外国人観光客は増加するであろうと予想がされており、今後通訳ガイドの働き方は多様化する可能性が大いにあります。