なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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認知症の祖母にしてあげられなかったことを今、仕事としてできているのがうれしい。

細貝 雄介さん介護福祉士(千葉県福祉援護会 障害者支援施設 ローゼンヴィラ藤原
勤務)

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介護を通して、家族とも友達とも違う「愛情」を実感

この仕事をしていてやりがいを感じるのは、施設に入居しているお年寄りとの距離がだんだん近くなっていくのを実感した時。お互い他人同士だけど、日々関わっていくうちに、だんだん打ち解けてくるんです。心を開いてもらえるように、入居者のケースファイルを見て「若い頃にバスケをやっていた」とか「パチンコが好き」といった情報を調べて、話すきっかけを作ったりすることもあります。そうした努力をすることで、半年ぐらいたった頃に、一緒に生活をしている存在として認めていただいているんだなってわかると、うれしいですね。それは家族とも友達とも違う「愛情」なのだと思います。

自分の祖母にしてあげられなかったことを、誰かにしてあげたい

私が介護福祉士を目指したのは、祖母がきっかけでした。小学校の頃、かわいがってくれていた祖母が認知症になり、自宅で介護をしていたんです。その後、祖母は入院したのですが、部活が忙しくてあまり会いに行けないうちに、亡くなってしまいました。今思えば、もっと自分がしてあげられることがあったはずなのに。それから介護のことがいろいろ取り上げられるようになり、私は自分がおばあちゃんにしてあげられなかったことを、誰かにしてあげたいと思うようになりました。そして介護福祉士の資格を取ろうと決めたんです。
専門学校では、知識や技術を身につけるだけでなく、人間として鍛え直されたような気がします。学校での経験は、未熟な自分を一人前の社会人に育ててくれました。先生方が親身になって面倒を見てくれましたし、何より実習が充実していたことが大きかったと思います。いろんなタイプの施設で介護実習を体験することによって、人間とふれあう仕事の素晴らしさを確信することができました。

現在勤務している施設には、ショートステイも含めるとおよそ80人の方が入居しています。介護福祉士になった今、かつて自分がおばあちゃんにしてあげられなかったことを、仕事としていろんな人にしてあげられるのが、とてもうれしい。そんな中で、毎日のように「ありがとう」とお礼の言葉をいただけるのも、すごく大きな喜びです。