なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム
毎日、たくさんの「ありがとう」をもらえる仕事です

今村 真実さん介護福祉士 (社会福祉法人三井記念病院 特別養護老人ホーム 三井陽
光苑)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

バス停で会ったお年寄りに癒されたことがきっかけ

わたしは、高校生の時にバス通学をしていました。その時の、高齢者の方々との出会いがきっかけで、介護福祉士を目指すようになりました。わたしが使っていたバスは、多くの高齢者の方々が利用されていたので、高齢者の方々と自然とお話をするようになりました。お話をしている中で、「楽しいな、癒されるな」という気持ちになりました。その中で、「高齢者の方々の役にたてたらいいな」と思うようになり、介護福祉士を目指すことにしました。
東京福祉専門学校ともう1カ所、学校見学させていただいて、比べたときに東京福祉の先生は笑顔がすてきな方が多くて、話していてもとても魅力的な方がたくさんいらっしゃったので、東京福祉専門学校に進学しようと決めました。

苦労もあったけど、自信に繋がった施設実習

在学中に一番苦労したのは、老人ホームでの1ヶ月間の実習です。実際の介助に入るのがはじめてで、いろいろな戸惑いがありました。今思えば、バス停にいた高齢者の方々は、自立された元気な方だったんですよね。施設にいる方々は、認知症の方がいらっしゃったり、意思疎通が難しい方がいらっしゃったりと、どう接すればいかわからずに戸惑いました。私は、ただびっくりしていたのですが、その方たちに「大丈夫だよ」と対応している職員さんが、とても素晴らしいと思いました。戸惑いはしましたし、私にできるのだろうかという心配もありましたが、目標がぶれることはありませんでした。声をあげたりする方に怖いという思いがあったのですが、だんだんと上手に接することができるようになってきて、それは成長だと感じましたし、自信にもなりました。

学校の面接指導の授業が就職のきっかけ

在学中、たくさん企業の方や施設の方に来ていただき、面接指導をしていただく就職行事がありました、そこで、現在お世話になっている「三井陽光苑」の方にお会いました。施設の冊子をいただいて、説明を聞いている中で、説明をしていただいている方の人柄や介護への思いを聞いて、この方の下で働きたいと思うようになりました。その後、施設見学をしてとてもきれいな施設だし、私の家の近くというのもあり、就職させていただくことにしました。今は、仕事に就いて3年目になります。日々嬉しいと感じるのは、「ありがとう」とおっしゃっていただけることですね。こんなに「ありがとう」を毎日伝えていただける仕事はあまりないのではないかと思っています。
仕事は主に生活を支えるための、排泄介助、お風呂介助、食事介助です。早番だったらお風呂当番や雑務、遅番だったら排泄介助、食事介助、夜勤は1時間に1回の夜の巡回、おむつ交換、食事介助です。やりがいは利用者さんの笑顔。その笑顔を見ているだけでうれしいです。例えば、調子が落ちてきた方がいると、こういうふうに接していきましょう、こういうふうにやっていきましょうと方針を決めます。それで、いい方向に結果が出ましたとしても、利用者さんは認知症であったりするとわかってらっしゃらないことが多いんです。それでも、いい結果が出たことに関してはうれしいですし、常にやりがいがあると思っています。介護の仕事は確かに体力を使うんですけれど、高齢者の方々からいただく充実感が勝ります。介護の仕事をしていると言うと、他の仕事をしている方に「すごく大変な仕事だね」とか「偉いね」と言われる事があります。私は介護しか仕事をしたことがないですが、他の職業の方も同じように大変ではないかなと思っています。

一人ひとりをしっかり見て、理解して接していくことが目標

最近仕事をする上で気をつけていることは、認知症をはじめ、いろいろな病気を持っている方がいらっしゃるので、どんな病気にかかっているのかという事をちゃんと理解して接することです。病気を持っているということは知っていても、それがどんな病気かを理解する前は、私自身のストレスが溜まっていました。たとえば鬱という病気にはこういう症状があって、こういう気持ちになることが多いということを知ると、病気を受け入れて接することができるようになりました。病気を知って、私自身の気持ちが楽になった分、対応が以前とは変わったと思います。これからの目標は、病気の事もそうですし、おひとりおひとり性格も違うので、利用者さん一人ひとりをしっかりと見て支援すること。そして、お話もたくさんしたいです。利用者さんに引き止められることが多いんですが、他の仕事もあるなかでお話を聞いてあげられないことも多いんです。すごく話し好きな方もいらっしゃるので、そういう性格も理解して接することが必要だと思っています。