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仕事を知る

グラフィックデザイナーとは

見る人の記憶に残る“美しさ”とひと目で理解できる“機能性”を
兼ね備えたデザイン制作の専門家

印刷によって伝えたいテーマやコンセプトを的確に表現するグラフィックデザインの世界。「グラフィックデザイナー」は人の目を惹く“美しさ”と情報をわかりやすく伝える“機能性”を備えたデザインで、世の中に情報を発信していく、情報デザインのプロフェッショナルです。 ポスター、新聞広告や雑誌広告、商品パッケージ、ロゴマーク、演劇や展覧会のフライヤー(チラシ)など、幅広いジャンルのデザインを手がけるだけでなく、近年では電子媒体の発達により、ホームページのデザインや電子書籍など、印刷の枠にとらわれない分野での活躍も期待されます。 以前は手作業での制作が中心の専門性の高い職業でしたが、コンピューターの普及によってグラフィックデザインの世界に足を踏み入れやすい環境が整っています。また、国家資格や特別な資格を必要としないため、センスや技術を磨くことで様々な活躍ができる人気の職種となっています。

SPECIAL INTERVIEW

グラフィックデザイナーの魅力

池越 顕尋さん

プロフィール

アートディレクター/グラフィッックデザイナー
1997年GWG設立。東京・大阪を拠点に国内外にて制作活動を展開。クライアントワークを手掛けつつ、国内外のグラフィックメデイアに多くの作品を寄稿。日本グラフィックデザイナー協会、日本タイポグラフィ協会、東京TDC、NYADC、NYTDC、D&AD会員。

商品が発売されたときも嬉しいですが、売れたときに喜びを感じるのが僕はプロだと思います

兄が絵描きなんです。自分の観念や世界観を自由に表現する仕事。僕はアート寄りではあるものの、それとは違う世界にいる。商品があって、ユーザーがいて、そのためにデザインがある。限定的にグラフィックデザインというジャンルで「とんがったもの」を作るだけならば、それもいいのかもしれない。でも、それは作品とは呼べても商品ではないかもしれない。売れるものを作るために、いろんな人と会話して、自分の中で軌道修正しながら、ユーザーに向かって何かを語りかける。もちろん、そこに少しでも作品性が残れば、それはそれで嬉しいですが。
商品とは、使いたい、買いたいと思う人がいて成り立つものです。どうすれば、その人の心に届くのか、伝わるのか。それを考えることが僕の仕事。僕はそれが好き。そして、そこには大きな責任がある。企画した人、職人さん、関わる多くの人々がいますから。商品なら「売れました」で嬉しい。「出ました」で喜んでいても意味がない。売れなかったら僕のせい、そう言う意識ではないとプロとは呼べないと思います。
僕は、ウエアのようなアパレルの仕事やれば、紙も立体もすべてやっています。バラバラのようにも見えますが、僕の中では対象が違うだけで、すべて「デザイン」。モノが売れるためには、ネーミング、ロゴ、見せ方などなどいろんな要素がある。それを一つの方向性にまとめて、決断・選択していく、それはどんな仕事でも同じです。 今後も仕事の幅を広げていきたい、今までやってないものをやりたいですね。たとえば公共のもの。高速道路のマークとか気になるんですよ。コミュニケーションの「モノ」自体はシンプルになるけど、その裏側は深くなるかもしれない。それも好きです。