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仕事を知る

プロダクトデザイナーとは

時代が求める“美しさ”と“機能性”を両立させる
立体デザインのプロフェッショナル

文房具やキッチン用品などの生活のなかで使われる道具から、家具や家電、自動車にいたるまで。あらゆる製品をデザインするのがプロダクトデザイナーの仕事です。私たちの身の回りにある製品は、使いやすく親しみやすいもの、スタイリッシュで格好いいもの、愛らしくかわいいものなど、すべてに様々なデザインがなされています。製品としての機能や使いやすさは当然のこと、さらにデザイン性と両立させて、魅力ある製品を作るのがプロダクトデザイナーの仕事です。
たとえば、携帯電話は、季節ごとに新しいデザインが発売されています。進歩する機能で商品を選ぶことはもちろん、そのカタチ、色、素材などの製品のデザインで購入を決める人もたくさんいます。すぐれたデザインで、商品が爆発的なヒットをすることもあるのです。
その時代を反映するデザインや、時代を超えて多くの人に愛されるデザイン。生活空間に溶け込むデザインや、アクセントになるデザイン…。私たちの身の回りにある製品すべてが、プロダクトデザイナーの活躍の場。世界中の人々の生活を、デザインで豊かにすることができる仕事です。
工場などで量産される製品など、私たちの身のまわりにある立体物のデザインをつくりだすプロダクトデザイナーの仕事のジャンルは多種多様。代表的なモノについて簡単に紹介します。

家電

家電のデザインは単身者向けかファミリー向けかなど、ターゲットに合わせてサイズやカラーも違ってきます。黒をベースにモダンなデザインにしたり、木目調を使って暖かみのあるデザインにしたり、多くの選択肢から最適なデザインを提案していかなければなりません。

家具

食器棚やベッドなどのあらゆる家具も、それぞれデザイナーの手によりデザインされています。特に人が直接触れて使用するイスやテーブルは、見ため以上に使いやすさも考えられたデザインが求められます。

文房具/キッチン用品

ボールペンやハサミなどで、強く当たる部分があって使いづらいという思いをしたことがありませんか。文房具やキッチン用品は見ための良さ以上に、使う人の手にフィットする機能的なデザインが長く愛される良いデザインとなります。

自動車

安全に人を乗せて走らなければならない自動車は、見ための良さだけでなく、機能性、居住性、安全性などのさまざまな要素を高いレベルで求められるプロダクトデザインの最高峰のひとつです。

電車・飛行機

通勤・通学で使われる電車や、新幹線。飛行機、船といった巨大なモノももちろんデザイナーがデザインしています。デザインを手がけるのは、空気抵抗などの専門的な知識やデザイン実績のある一部のクリエーターになります。

SPECIAL INTERVIEW

プロダクトデザイナーの魅力

森脇 公起さん

プロフィール

1998年 大阪コミュニケーションアート専門学校 工業デザイン科卒業。日産自動車のデザイン本部に勤めた後、自動車デザイン・二輪デザイン・プロダクトデザインなどを経験し、2003年にエム・センスを設立。プロダクトデザイン・モデリングを中心に活躍中。

クライアントのイメージに立体で答を出す…、難しいからこそおもしろい仕事です

高校生のときに「将来自分がデザインしたモノを世の中に残したい!」と思ったことがきっかけで、専門学校に進み、プロダクトデザインの世界に飛び込みました。製品のコンセプトに沿ってイメージしたモノを立体にし、伝えたいことをカタチにして伝える。プロダクトデザインの基本ですが、これはとても難しいことです。だからこそ、クライアントの"こんなふうにしたい"という要望をカタチとして表現できたとき。そして製品として手に取った人、使っている人からの評判が良いとわかったときの楽しさは、説明しつくせない快感になります。
自分の会社は基本的には"裏方"としてモノのデザインをしています。それだけに、あのメーカーのあの商品が自分の会社のデザインなんだぞという密かな快感というのもあります。もちろんデザインしたモノを使った人が感じる心地よさなども含めて、自分にとってプロダクトデザイナーの仕事とは、そうしたさまざまな"快"を世の中に残していくことなんだと思っています。
最後に、これからプロダクトデザインの世界に飛び込もうとする人たちに、1日に1個ずつ、毎日何かをデザインしてみましょう。毎日何かのデザインをノートに書き続けてみてください。それが、プロダクトデザイナーになるための力になるはずです。