なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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今までできなかったことが成功した時「できた!」と喜びを一緒に味わえるのが魅力

酒井 侑紀さん社会福祉士(東京都知的障害者育成会 江戸川区立障害者支援ハウス 勤務)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

自力でやってみようとする利用者の意思を最優先に

現在、障害者支援ハウスで私が担当しているのは、ケアホームとグループホーム。そこで朝晩の食事、片づけ、着替え、入浴など、利用者の方々の日常生活の訓練をサポートしています。心がけているのは、手を出しすぎないこと。すべてに手を貸すのではなく、自分自身でできることはやってほしいですし、自力でやってみようとする利用者の意思は最優先にしたいと思っています。今までできなかったことや初めて挑戦したことが成功した時、「できた!」という喜びを一緒に味わえるのが、この仕事の魅力ですね。
また、支援の対象者に入り込みすぎないということも大切。常に客観的な視点を保ち、現状を冷静に見極められなければ、適切な支援はできませんから。利用者の意思を尊重しながら、信頼されるサポート役となれるよう、日々頑張っています。

いろんなことに挑戦して、自分の可能性を見つけてほしい

私は「高齢者の方の役に立ちたい」という気持ちから、福祉の世界を目指しました。専門学校時代、実習やアルバイトで知的障がい者の方とふれある機会があったのですが、その時間が想像していた以上に楽しかったんです。そこで福祉の世界に新しい魅力を感じ、卒業後の仕事として「知的障がい者の支援をしたい」と考えるようになりました。
当時、私はボランティアやアルバイトなどをできるだけたくさんやるようにして、自分の世界を広げたことが、進路選択の大きなカギとなりました。現在学生の皆さんの中には、人とのふれあいが好きな方も、苦手な方もいると思いますが、まずはいろんなことに興味を持って、どんどん挑戦してほしいと思います。それが、自分の中に眠っている才能や可能性を引き出すチャンスになるかもしれません。そうしたチャレンジの結果、私と同じように福祉の道に進む方がいてくれたら、とてもうれしいですね。
法律が随時改正されて、徐々に改善されつつある福祉の世界。知的障がい者の将来をもっと充実したものにするため、一緒に努力していける多くのスタッフを待っています。