なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム

なりかたを知る

必要な知識・求められる資質

犬が好き、人が好き、そして何度も繰り返し教える根気と、目標に向かう強い気持ちが必要です、

犬を扱う仕事ですから、「犬が好き」であることは言うまでもありません。
ドッグトレーナーを目指すのであれば、「人と接することが好き」であることも求められます。家庭犬のトレーニングでは、飼い主さんとのコミュニケーションがトレーナーに求められます。愛犬の悩みを聞いたり、犬の扱い方やトレーニング方法を教えたり、犬の飼育・管理などのアドバイスも大切な仕事です。
生きものを預かる責任感、トレーニングのための体力、根気よくトレーニングを続ける忍耐力も必要です。
訓練所の見習い時代は、日々勉強です。寮生活で犬の飼育も行うため勤務時間も長い上、給料も高くはありません。それでも、目的に向かって3〜5年勉強を続けられる目的意識をしっかりと持つことが大切です。

SPECIAL INTERVIEW

専門的なことを学ぶなら、英語だけは勉強すべき

仕事では、あらゆる階層の人とつきあえたことも良かった。元内閣総理大臣の田中角栄さんの護衛犬を頼まれたのが私。 土木工事をしているおじさんや大学教授もみんな、犬を通していろいろな人とつきあえた。警察官も、政党も。その人たちと対等な付き合いをするためには、その人たちに近い知識を取り入れていく必要があるということ。政治であれば政治の知識、お花の先生であれば何流だとか、そういう知識を広く浅くでも自分の知識にできたということは大きいですね。一番反省しているのは、語学をやっていなかったこと。英語ができていたら、もっと自分を磨けたと思う。通訳を通さず,感覚だけに頼らず話ができるのが一番いいと思うから、若いときは、語学をしっかりやらないと。

ドッグトレーナーの仕事は向上心

下積み時代っていうのも悪くない。僕は自分でも不器用って思っていたんだけど、なかなか表舞台に出してもらえない。ヘタだから悩むわけ。技術だけで表に出るのが叶わないなら、なぜできるのかを知識として学んで行こうと思った。そして、理論の裏付けができるようになったのは、大きな財産だね。その後、ある程度の競技会タイトルを穫り、経験だけでなく、頭の中で学習を組み立てたものが、そこで立証できたことががうれしかった。ドッグトレーナーの仕事は向上心。難しいと思って止まったら上には行けないから、解決しようとする努力は必要です。特にものを言わない動物とつきあうには、そこをしっかりしてほしい。目先ではなく、先のことを目標にする。そのためには、5年、10年の下積みは必要かなと思います。表に出なくても、結果は絶対に出ます。犬を勉強するのは当たり前、でも付属するものはたくさんある。とにかく、何でも貪欲にいろいろな知識を吸収してほしい。それがトレーニングの中で、必ず栄養になってくる。人間、無駄なことはないから。

ドッグトレーナー森脇 和男さん

プロフィール

警察犬や家庭犬の訓練を始めて約50 年。訓練の現役として警察犬や、災害救助犬、皇宮警察本部にて警備犬の指導も行う。日本警察犬協会公認一等訓練士、公認一級トリマー、ジャパンケネルクラブ公認範士、訓練試験委員A級。