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仕事を知る

PAエンジニアとは

コンサート会場で活躍
音響を操作する音のプロフェッショナル!

PAエンジニアは、広くは音響エンジニア、音響オペレーターなどと言われる音響スタッフの仕事のひとつ。コンサート会場やライブハウス、ホール、劇場などで、お客様に向けた音響を整える仕事をするのが「PAエンジニア」です。バンドで言えば、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムなど、すべてをひとつの音源にまとめ、ミキシングでバランスを整えて、スピーカーから拡声する。このシステムを「パブリックシステム(PA)」(公衆伝達)と言います。これらの機器を配置し、操作して、最高の音を届けるのがPAエンジニアです。
コンサート会場の真ん中に陣取り、コンソール(PA卓)を操作する姿に、あこがれを持つ人も多いでしょう。

SPECIAL INTERVIEW

PAエンジニアの魅力

どのコンサートも一生に一度切り、
その場に身を置ける感動がPAの仕事にある!

PAエンジニア
左右田 利雄さん

プロフィール

有限会社パンデーロ 代表取締役。「BINGO BONGO」、「モダンチョキチョキズ」、「小野リサ」などのライブやコンサートをはじめ、ミュージカル、演劇、など様々なジャンルでPAエンジニアを務める。現在は「水戸華之介」、「BE THE VOICE」、「モダーン今夜」のライブをはじめ、「劇団おにぎりスキッパーズ2」や「シンクロナイズドスイミング マーメイドカップ」など幅広い分野の音響を担当し、活躍している。また、渋谷にある「アコースティックライブバー七面鳥」をプロデュース。チーフエンジニアも務める。

PAエンジニアは、音ではなく「夢」を扱う仕事だと思う

高校時代に洋楽バンドにあこがれて、バンド活動を始めました。それで、自主コンサートを開いたりしていたので、PAエンジニアという仕事をバンドを通して知りました。「PAという仕事で音楽に携わることができるんだ!」と思ったのが、この仕事を目指そうと思ったきっかけです。バンドはやっていましたが、楽器は全然うまくなかったということもありますが(笑)。
PAエンジニアの仕事は、1回きりという緊張感。これが仕事の醍醐味でもあります。アシスタント時代に大きなコンサートに関わったときのこと、本番が終わったときにそれはもう大きな拍手が巻き起こったんです。僕自身もスタッフの一員として演奏を支えたという誇りもあり、興奮と感動をしていました。そして「次は絶対この拍手を、会場の真ん中で聞いてやる!」と決意も新たにしたことが、PAエンジニアとしての原点。今でもつらくなると、この気持ちを思い出して奮起しています。

僕はPAエンジニアという仕事は、音を扱っているのではなく、夢を扱っているんだと思っています。お客さんはコンサートに対してそれぞれに夢、想いや期待などを持っているんですよね。ミュージシャンも、このステージに立つまでにいろいろな想いをもって今日の日を迎えている。だからコンサートには、夢や想いがこもっている。それに応えるために僕もPAのプロフェッショナルとして、その日できるベストを尽くしてオペレートをしています。
今までにコンサートやライブのPAをはじめ、ミュージカル、演劇、展示会、マラソンなどのスポーツ系の仕事など、さまざまなPAを担当してきました。それぞれがとても面白い仕事ですが、その中でもミュージカルは舞台や照明も含めた総合芸術で、作品の流れの中に「音」があり、とてもやりがいのある仕事のひとつです。

PAエンジニアは、音楽が好き、そして人が好きという人に向いている仕事だと思います。チャンスは必ず来ます。いつ来るかはわからないから、日々努力すること。PAエンジニアを目指す人には、あきらめるな!とエールを送ります。