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仕事を知る

PAエンジニアの仕事

機材の搬入、セッティング、オペレート、撤去までがPAエンジニアの仕事

PAエンジニアの仕事は、コンサートの前からスタートします。特に音響設備のない会場でのイベントでは、機材選定を行い、配置図、配線図などを作ります。それには、会場の音の反響などの特徴を理解することはもちろん、イベントの責任者や舞台監督、アーティストとどのような音を出すのかという打ち合わせも大切で、求められる音を出すために、機材やスピーカーの配置を考えたり、知識と技術、音のセンスで音を整えるのがPAエンジニアの仕事です。
ライブハウスでは、音響設備が常設されており、PAエンジニアが1名で仕事をしている場合もありますが、コンサートやイベントでは、複数の音響スタッフが働いています。
コンサートでのPAエンジニアの仕事は、機材の搬入から始まります。ミキシングコンソール、スピーカー、モニターやアンプ、そして多くのケーブル類を会場に運び込み、セッティングを行います。ケーブルの配線をセッティングするのは、ステージマンの仕事です。業界に入ると、ここからスタートしますが、たった1本の配線ミスがコンサートを台無しにしてしまいますから、ひとつひとつが重要な仕事です。ステージ上で演奏者が自分の声や楽器の音を聞くモニターは、モニターミキサーと呼ばれるエンジニアが担当します。
機材のセッティングが終わると、音の調整を行い、リハーサルを経てコンサート本番へ。コンサート会場の真ん中に陣取ったPAコンソールの前に立ち、メインのPAエンジニア(ハウスミキサー)が活躍します。演奏者の魅力が最大限に引き出されるような音の調整だけでなく、ノリノリに盛り上がる曲では高揚感を出し、しっとりとしたバラードでは伸びのあるヴォーカルが観客の心に沁みるように、センスとテクニックを駆使して音を操作しているのです。
コンサート終了後にはすべての機材の搬出、撤去をして仕事が終了します。会場作りから撤去まで、これらすべてがPAエンジニアの仕事です。