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仕事を知る

整形靴技術者の仕事

採寸・採型から縫製、修理やフィッティングまで、
細部に至るまで高い専門性が求められる仕事です

整形靴技術者の仕事、靴づくりでは、あらゆる過程で高度なテクニックと専門知識が求められます。

採寸・採型

靴づくりの基本は、足の状態を「正しく読み取る」ことから始まります。 足の長さや幅、甲の高さはをはじめ、足底への圧のかかり方など、あらゆる「情報」を収集。次は、足に石膏包帯を巻き、木型をつくるための「足型」をとります。ここで正しい情報がとれていないと、足に合った靴はつくることができないため、採寸・採型は、最初にして最大の鍵。特に、足にトラブルを抱えている方や変形が重度の方の場合、小さな誤差が命取り。正確で緻密な作業が求められます。

  • 医師の指示のもとでつくられる「整形靴」は、「装具」の一種となるため、その採型・適合については、医療系国家資格である「義肢装具士」の免許が必要となります。

木型制作

採型が終わると、靴の原型となる「木型」の作成に入ります。 採型でとった足型に樹脂を流しこみ、固まったものを、グラインダーなどの機械や工具を使って削ったり、パテを盛ったりしながら、形を整えていきます。 木型は、樹脂の他にも、プラスチックや石膏などでつくられることもあります。

製甲

木型ができあがると、それをもとに、靴のパターン(型紙)をつくっていきます。 デザインを考えながら革を断裁し、ミシンで縫いあわせていく作業。靴のデザインや見た目に関わる工程で、「センス」が問われる部分でもあります。 ステッチ(糸のライン)の美しさはもちろん、革の特徴、伸縮の向きなども計算してつくらなくてはならないため、デザインセンスだけでなく、靴の仕組みや素材に関する正しい専門知識、繊細な作業が求められます。

つり込み

甲革ができあがると、それを木型にかぶせ、つま先やかかとなの形状をつくっていきます。これは、靴をつくる工程の中で、唯一、靴の職人だけができる作業。一枚の革が、だんだんと靴らしい形になっていきます。つり込みでは、専用の小道具などもたくさん使用するため、こうした道具を上手に使いこなすこともプロとして大事な一歩です。

底付け

靴の底「本底」を取り付ける作業。つり込みでつくった革の底面に「本底」と呼ばれるパーツを貼りつけ、さらにヒールを貼りつけて靴の底をつくります。 本底となる材料には、革やゴムなど様々なものがあるため、それぞれの素材に合わせて加工することが大切です。

仕上げ

底付けが終わると、いよいよ仕上げの作業。靴の見映えを左右する大切な作業です。 表面をみがき、木型を外してクリーニング、ひももキレイに結び直して完成です。自分自身はもちろん、お客様にも納得してもらえるように、一つひとつの工程を確実に、丁寧に仕上げていくことが大切です。

TOPICS!

様々なフィールドに広がる、整形靴技術者の仕事!

整形靴技術者には、上記のような靴づくり以外にも、実に様々な仕事、活躍フィールドがあります。 例えば、専門店や百貨店などの売り場で「靴のプロ」としてお客様にアドバイスをしたり、スポーツシューズのメーカーでアスリートのためのシューズを製作したり、また、既製靴やスポーツシューズなどに入れる「足底板(インソール)」を製作したり、義肢装具の製作施設で、義肢装具士と連携しながら医療、リハビリテーションの一端を担うこともあります。 どこへ就職するかによっても、仕事の内容や求められる専門性が変わってきますので、自分がどんな所で活躍したいか、将来的にどうなりたいのか、などを考えておくことも大切です。