国家試験をはじめ様々な資格試験があります。目標を決めてしっかり勉強しておきましょう
ロボット設計技術者になるために、特に定められている資格はありませんが、ロボットの設計には、電気制御、機械設計、情報処理技術といった各専門分野の知識、技術が求められます。
そのため、IT関連や電気系の資格を持っておくと、スキルレベルの目安にできるため就職時にも有利になり、実務の上でも知識を役立てることができるでしょう。
関連資格としては、経済産業省が実施する国家試験や、CAD、機械設計の技能試験など、様々な種類の資格試験が存在します。試験の種類や難易度も幅広くあるため、目標を決めてチャレンジしてみましょう。
IT関連資格のうち、唯一の国家資格
経済産業省が認定する国家試験で、独立行政法人 情報処理推進機構により実施。一般企業からの認知や評価も高く、国家試験の一部免除が受けられるといった優遇制度もあります。難易度と分野に応じて12種類に区分(※図参照)され、学生でも制限なく取得できます。ロボット設計技術者を目指す人にとっては就職にも有利ですので、ぜひ取得しておきたい資格です。
情報処理技術者試験の一例
「情報処理技術者試験」の中でも企業評価が高く、学生でも最も取得しやすい資格です。情報技術全般に関する基本的な用語をはじめ、情報システム開発におけるプログラムの設計や開発、プログラミング言語を用いた開発とテストなど、情報技術全般に関する基礎知識と実践スキルが問われます。年2回(春期・秋期)の開催で、試験は午前と午後150分ずつ行われ、両方の試験で100点満点中60点以上で合格となります。
合格率は年間平均で27%前後です。
受験料:5,100円(税込み)
旧「ソフトウェア開発技術者」に代わる試験で、コンピュータおよびITに関する応用レベルの知識と技能が問われます。試験科目は、法務や経営戦略、システム戦略といった「ストラテジ」、プロジェクトやサービスマネジメントに関する「マネジメント」、そしてアルゴリズムやデータベース設計、ハードウェアといった「テクノロジ」の3分野から構成されています。 難易度はやや高く、専門学校やIT系のスクールで勉強して受験するのが一般的です。 年2回(春期・秋期)の開催で、試験は午前と午後150分ずつ行われ、両方の試験で100点満点中60点以上で合格となります。
合格率は年間平均で22%前後です。
受験料:5,100円(税込み)
「CAD(キャド)」とは、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design)の略で、コンピュータを使って自動車や機械、建築物などの設計、製図を行うシステムのこと。以前は、手作業で設計図を作成することが一般的でしたが、現在は、ほとんどの設計図がCADを使ってコンピュータ上で作成されています。
「CAD利用技術者試験」は、社団法人コンピュータソフトウェア協会が主催する民間資格で、総受験者数はのべ40万人以上。CAD資格の中では最も認知度の高い資格です。
試験レベルは全部で3種類。
合格率は、基礎:74%前後、2級:48%前後、1級は、トレース:43.8%/建築:26%/機械:41% 前後。
また、上記の他にも、3次元CADシステムの知識とモデリング、設計の技術問う「3次元CAD利用技術者試験(2級/準1級/1級)」もあります。
情報処理と制御に関する知識、技能を認定する、文部科学省後援の公的資格。5級~1級のレベルがあり、2級・1級はさらに「情報部門」と「制御部門」という2分野に分かれています。
平均合格率は、5級:86%、4級:82%、3級:52%、2級(情報)63%(制御)45%、1級(情報)17%(制御)9% 前後
社)日本機械設計工業会が実施、認定する技術力認定試験。
2級・1級は機械設計の実務経験がないと受験できませんが、3級は、実務経験のない新人技術者や学生の技術水準を評価するための試験として設定されており、実務経験がなくても受験できます。
3級はマークシート方式の筆記試験で、機構学・機械要素設計、材料力学、機械力学、.流体工学、制御工学、熱工学、工作法、機械製図といった分野の知識が問われます。
合格率は、1級・2級は40~50%前後、3級は25~30%前後
電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。そして、電気主任技術者になるには、国家資格である電気主任技術者試験に合格しなければなりません。
電気主任技術者の資格は、取り扱うことができる電圧によって第一種~第三種に分けられており、試験レベルは、 第一種:大学の電気科、電気工学科卒業程度/第二種:短大・高専の電気科、電気工学科卒業程度/第三種:高校の電気科、電気工学科卒業程度とされています。
第一種・第二種試験は一次試験と二次試験があり、第三種は一次試験のみ。
次試験では、理論、電力、機械、法規の4科目、二次試験では、電力・管理と機械・制御の2科目について、科目別に試験が行われます。
また、一次試験については「科目別合格制度」が設けられており、科目ごとに合否が決まります。もちろん、4科目すべてに合格しなければなりませんが、科目ごとの合格保留期間は3年。つまり、3年間で4科目の試験に合格すればよいということになります。