なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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医療情報について何でも答えられるようになりたい。それにはまだ努力が必要です。

和西 晃寛さん診療情報管理士(関西医科大学附属枚方病院医療情報部 勤務)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

社会福祉士を目指して入学したが、裏方が向いていると思い気づき診療情報管理士へ

高校卒業後には何か資格を取って社会に出ようと決めて、専門学校に入学しました。入学時には特段の目標もなくて、何をしたいかを考えたときに資格があればどうにかなるだろうという感覚を抱いていたくらいです。医学に興味があったので医療系の学校に入り、入学当初は社会福祉士を目指していました。しかし、人との対話が苦手だと感じており、人との対話が欠かせない社会福祉士の資格を取っても、仕事としてやっていけるのかと悩んでいました。自分は裏方の方が向いていると思い始めた頃、目に止まった資格が診療情報管理士でした。そのコースでは、高度な医学知識や診療情報に加え、医療経営の知識も学びます。突き詰めていくにつれ、病院の経営にも関われるかもしれないと思いました。何となく資格を取るのではなく、明確な将来像を描き、それに向かって進んでいけるので、意欲を持って資格取得に挑むことができました。就職したこの病院からは、資格取得を条件に内定をいただいていたので、猛勉強して試験に挑みました。その甲斐あって試験には無事合格。与えられたチャンスに応えるのは自分自身の努力だと思います。資格取得の原動力は頑張った証明をしたかったから。最終学年のときには、やるからにはとれる資格をすべて取りたいと思い、診療情報管理士のほか、社会福祉士と医療秘書検定準1級を取得しました。

仕事では、資格や知識をどのように活かすか。就職してからの努力が大事

就職した関西医科大学附属枚方病院はIT化では全国有数の病院で、私は紙のデータをスキャンして、そのデータを電子カルテに取り込むなどの業務をしています。他病院ではまだ紙が主流で、電子化した情報をやりとりする病院は少ないので、紙のデータを電子データに残す作業が必要で、1日あたり約1200件を数人の事務職員とともに行っています。しかし、勤務したての頃は、悪戦苦闘の毎日でした。社会人1年生で慣れない仕事のうえ、人との対話が苦手でコミュニケーション不足からくる失敗も続きました。「このままではダメだ」と思うこともたびたびでした。そんな私に向き合ってくれたのが、同じ資格を持つ上司でした。資格だけでは現場で通用しないことを指摘され、さらに4年間の勉強期間を評価していただいたうえで、その知識を業務にどのように活かすかということや、病院は病院ごとに文化がありそれに沿った仕事のスタイルがあることを指導いただきました。入ってからの努力も必要だと気づいてからは、自ら学ぶ意識を強く持つようになり、「仕事をスムースにこなしたい。そのためにもっと病院のことを知りたい」と思ったんです。仕事をする上で、相手に信頼されるために何をすべきか、その答えは自らが動くことで病院内のネットワークを広げ、仕事をやりやすくする環境をつくることでした。それで、人とのコミュニケーションが苦手だった私が、病棟に行って話をするようになりました。
目標は、医療情報に関することで、何を聞かれてもすぐに答えられるようになること。そうなるには、もっと努力が必要です。そして間接的であっても、病院の経営の関われるようになりたい。これが将来の夢です。