なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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小さい頃から憧れたイルカトレーナーに。 トレーニングで「動物に教わる」日々です

相磯 智美さん海獣トレーナー(下関市立しものせき水族館 海響館)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

小さい頃から水中ショーやトレーナーに憧れていた

専門学校卒業後に伊豆にある三津シーパラダイスで、イルカとアシカの担当として3年8ヶ月働いていました。働いているうちに、もっといろいろなトレーニング方法や飼育方法を学びたいという気持ちが湧いてきて、他の水族館で働いてみたいと思い、海響館には3年前に就職して、イルカ、アシカ、スナメリ、アザラシの担当をしています。私は三津(静岡県西伊豆)の近くの出身で、三津シーパラダイスの水中ショーやトレーナーの姿を見て憧れたことがこの仕事を目指したきっかけでした。東京コミュニケーションアート専門学校に進学したのは、やはり専門的に学べることと、いろいろな施設に実習に行けることがいいなと思ったからです。
学生時代には、様々な経験ができました。実習(研修)は、和歌山のドルフィン・ベェイス、三重県の二見シーパラダイス、そして三津シーパラダイスの3カ所に行きました。学校の授業では、研修が一番大きな経験になりました。やはり、現場で学ぶのは違いましたね。時間があれば、水族館ではない、ダイビング業界の研修にも行きたかったほどです。興味本意なんですが、ダイビングの仕事はなかなか見られるチャンスはないですから。実は、イルカは好きだったのですが、海はダメだったんです。プールでは泳げるけれど、海では泳げない。海が大好きになったのは、学校に入ってダイビングや、水族館で潜りの練習をしてからでした。

人間(スタッフ)同士のコミュニケーションが大切

ショーのあとにお客様からの「良かったよ」という声を聞いたり、イルカと遊んでいるときに「可愛いね」と笑って声を掛けていただいるときも嬉しいですね。仕事のなかでは、今は動物のトレーニングが一番楽しいです。以前は「動物に教わる」ということがわからなかったんです。よく周りの人たちがそう言っていたんですが、「動物に教わるって何だろう?」と思っていました。海響館に入ってからトレーニングをしているときに、私が思っていてもイルカが違うことをしたり、ダメかなと思っていたことが逆にできてしまったりといろいろな事があって、「こうしたらこういう行動してしまうんだ。そういうことだったんだ」と、日々動物たちからいろいろと教わっています。トレーニングは水族館ごとにやり方が違うんです。ここでは、「必ず人間に原因がある」というトレーニングの方法をとっているので、何が原因なのかを深く探っていくこと、やり方をいろいろと変えていくということを学べて「動物に教わる」ことがわかるようになってきました。いま、海獣担当は9名いますが、現場の考え方をみんなが理解して、一斉に行えるのがこの施設のよいところです。仕事では、人間同士のコミュニケーションが大切だと思います。言葉足らずでうまく伝わらなかったりすることも多くて大変ですが、コミュニケーションは大切にしていこうと意識して仕事をしています。
これからは、まずはここのトレーニング方法をしっかりと身につけて、ずっとイルカに携わっていきたいと思います。