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仕事を知る

水族館飼育員とは

海や川などのあらゆる水生生物の飼育管理、展示が仕事です

水族館飼育員は、海や川などに棲息する魚類、両生類、ハ虫類や、アザラシやアシカなどの海獣、ペンギンなどの鳥類、イルカ・クジラ・シャチなどの哺乳動物など、水生生物を展示する水族館で、飼育管理を中心とした仕事をしています。
水族館飼育員の仕事は、来園者が目にする華やかなイメージとは異なり、意外にも地味で地道な仕事です。担当は魚類と海獣類に分かれ、さらに個人が担当する生 物の調餌(えさづくり)、給餌(餌を与える)、健康状態のチェックを行います。また、飼育員にとって水族館内の掃除も大切な仕事です。ショーのための日々の調教や、専門とする生物の生態観察、研究も行っています。

美しい水槽や、ダイナミックなイルカのショーなど、子供から大人までが楽しめる水族館の仕事は、希望者が多く,狭き門となっています。

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SPECIAL INTERVIEW

水族館飼育員の魅力

まだ未解明な生態を解き明かし、
公表できたときの喜びは、仕事を始めたときから今も変わらない

花﨑 勝司さん

プロフィール

国営沖縄記念公園水族館(現 沖縄美ら海水族館)で魚類・海獣飼育係を担当。現在は、岸和田市立きしわだ自然資料館 アドバイザー、芥川緑地資料館(あくあぴあ芥川) 主任研究員を務めている。

もともと幼少の頃から、魚類をはじめとする水生生物に強い関心があり、将来的には水族館をはじめとする施設で仕事をしたいと思っていました。特に何 かインパクトのあったきっかけというのはありません。冒頭の「もともと」は自分自身でも分かりません・・・。この仕事に就くときには、様々な海洋性魚類や 無脊椎動物などの飼育に関わり、まだまだ分からない、あるいは研究が十分でない生き物たちの生態などを解明したいと思っていました。飼育業務を通じて、未 解明な部分を僅かながらでも解き明かし、その結果報告を公表できた時はただ単純に「嬉しかった」、「よし、出来た!次は・・・」という感じでしたね。この 感覚は今でも同じですね。ただし今では海洋生物に限らず、その対象は河川に生息する生物にも広がっていて、興味の対象、目標は尽きることがないくらい広くて深いことを実感しています。
この仕事を選んでよかったと思うのは、もともと好きであった水生生物に仕事として関わり、それを飼育展示、教育普及、そして調査・研究などの活動を通じて、一般から専門家の方々にまで、その結果を講演や研究発表などを通して理解と認識を少しでも深めて頂けたと感じら れる時ですね。

近年、水族館に関連する書籍が矢継ぎ早に出版され、この状況については非常に嬉しく思っています。水族 館は多種多様な水生生物を飼育展示する施設であり、この特性は他の水生生物を飼育している施設とは一線を画するものです。生物多様性に関する認識が深めら れていく昨今においては、その存在の重要性については論を待たないものと考えます。
私はこれからも、水族館や博物館における教育普及活動と調査・研究活動をさらに充実・展開させ、これら関連施設に就業する人たちの育成をしていきたいと思っています。
この仕事を目指す人たちへ。社会に出て、仕事としてやりたいことは何ですか? やりたいことが見つかれば、それを掴み取る術は自然に思いつくはずです。