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なりかたを知る

必要な知識・求められる資質

必要なのは、「画力」「精神力」「分析力」そして「継続力」。

養いたいのは、アシスタントレベルの画力、何度でも描き直しできる精神力。また、マンガ以外の趣味や多くの経験をして、題材になる引き出しを増やしていくことも大切です。

マンガを1本仕上げるのは重労働ですから、1本描き上げる、デビューを果たすだけで満足せずに「描くことが好きでいられる」ことが重要な資質です。

SPECIAL INTERVIEW

マンガ編集者に聞いた「プロマンガ家になるために必要なこと」

今の新人漫画家に求められる資質ということで、持ち込みの際に一番見ていることからお話ししましょう。

まず最初に見ているのは「画力」です。 絵やペン使いは上達するのに時間がかかります。そのため、ある程度鍛えれば新人賞を獲れる、あるいはアシスタントとしても使えるというレベルを持っていないと、現在の漫画界では難しいです。 そういう意味では、学校みたいに漫画の描き方を効率よく教わるって大事なことですよね。もちろん、教わっただけで描かなければ、何の意味も無いんですが(笑) また、画力の一部として、「絵が華やかか」「絵そのものが雑誌に向いているか」も見ています。その基準は雑誌にもよるでしょうが、特に少女まんがではそこを厳しく見ているようですね。 中堅の月刊少年漫画誌でも流行りの絵はありますので、自分に向いている雑誌を探すか、あるいは自分の絵を雑誌に近づける必要があります。

次に「精神力」でしょうか。 どうしても編集者との漫画制作は没の繰り返しになります。1回厳しく指導すると次から来ない……なんて人も多いんですよ(笑)
でも、そんなんじゃあ絶対プロとしてはやっていけない。途中一言二言厳しめに言ってみて、反応を見ますね。そのまま行けそうならきちんと指導。ダメそうならゆるゆると話してお引き取り願います(笑) ただ、最近はきつい指導に耐えられる人が少なくなったので、編集者全体的に甘めになっていると思いますよ。優しくとか、そういう指導が上から出ている編集部もあります。その辺はアシスタントに入ることで鍛えられる場合もありますから、2番目ですかね。

欲しい資質ということで挙げるなら、3つめに「知識」でしょう。漫画は漫画に出来ません。漫画以外のものを題材にして漫画を描くわけですから、漫画以外の趣味や経験が必要なんです。そういう意味で、学生時代の部活とか、趣味で行っているものとか、人とは違う経験をしているとかは有利ですよね。それと絡みますが、「分析力」も必要ですね。読者が欲しいもの、編集者が望むものを読み取って、自分の知識で描けるものを見つけ出す。その力があれば、案外デビューは早いですよ。

あとは、「マンガを描くことにあきない」ことでしょうか。マンガを描くって、すごく重労働ですよね。だから、1本描き上がったら満足しちゃう人とか、デビューしたら満足しちゃう人とか、連載終わると描けなくなる人とか、時々いるんです。 描き続けられること。描くことを好きでい続けられること。それだけで大事な資質だと思いますよ。