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仕事を知る

マンガ家の仕事

キャラクターを作り、世界観を築き、
物語を生むのが『マンガ』の仕事

マンガ家の仕事中のイメージとは、原稿用紙に向かってペンでガリガリと絵を描いているシーンだと思いますが、マンガ家の仕事全体の最終段階です。
絵を描くだけがマンガ家の仕事ではなく、キャラクターを作り、世界観を設計し、物語を生み出すのがマンガ家の仕事です。

その作業は「プロット」⇒「ネーム」⇒「下描き」⇒「ペン入れ」⇒「仕上げ」という工程で完成に至ります。この作業を進めるときに、編集部の担当編集者と打ち合わせを繰り返し行い、作品を描きあげる段階では、アシスタントの協力を得て完成させます。

マンガの制作工程

プロット

プロットとは「小説・演劇・映画などの筋・構想」という意味ですが、マンガを描く上での「プロットの書き方」は作家それぞれに違います。
主に、マンガ家が編集者と打ち合わせをするときに、「こんな話を描こうと思っている」ということを伝えるための覚書程度のものから、箇条書きにまとめたもの、また連載用にキャラクター表などを添付して企画書として作成する場合もあります。

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ネーム(絵コンテ)

ネームは、コマ割りしたページに、登場人物のセリフがフキダシの中に描かれているものです。本来は、フキダシの中のセリフを指して「ネーム」と言っていましたが、今では慣用的にコマ割りしたそのものを指すようになっています。

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下描き

ネームの段階で「考える」作業はほとんど終了。ここからは「描きあげる」作業に入ります。下描きの書き込み度合いは、作家によって大きく異なり、まるで完成原稿のように下描きが描かれている人から、ほとんど「アタリ」だけしかない人もいます。

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ペン入れ

ここからはマンガ家だけでなく、アシスタントも作業に加わります。 多くのマンガ家は「丸ペンやGペン」を使って「製図用黒インク」でペン入れします。
ペン入れでは、様々な道具が使われます。基本的には「印刷されたときに読みやすい」ことが条件で、それ以外に禁止事項はありません。筆ペンやマジック、ミリペンなど様々な文房具を使います。

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仕上げ

ペン入れの次に仕上げ工程に入ります。アナログが主流なマンガ業界ですが、最近ではデジタル化がどんどん進んでおり、仕上げ作業はすべてコンピュータを使って行うマンガ家が増えています。アナログでの仕上げ作業は、ベタ塗り・トーン処理・ホワイト修正などです。デジタルの場合は、ペン入れの終わった原稿をスキャニングし、コンピュータで(フォトショップや専用ソフトなどを使用)仕上げます。

TOPICS!

マンガ家アシスタント

週刊連載や月刊連載など、マンガを毎回考える作業には多くの時間を必要とします。そのため、作画にかける時間が短くなってしまうため、マンガ家ひとりでは締め切りに間に合いません。そこで登場するのが「アシスタント」です。
上記の作品制作の工程で、最終の「ペン入れ」と「仕上げ」の部分でマンガ家をアシストします。マンガ家は、主要な登場人物をペン入れし、アシスタントが背景にペン入れするというのが一般的です。
デビュー前、またはデビュー直後の新人マンガ家には、編集部が「勉強のため」連載作家のアシスタントを経験させることがよくあります。
アシスタントだけでも充分な収入が得られるため、プロフェッショナルとしてアシスタント業を行う「プロアシ」と呼ばれる人もいます。

アシスタントの収入は、アシスタント先によりますが、週刊連載作家のアシスタントの場合、1週間に少なくとも3日間仕事をし、その間の食事などは全てマンガ家持ち。ベタやトーンワークなど割と簡単な作業の担当でも1日1万円程の収入があるため、コンスタントにアシスタントに入れば、月収12~15万程度にはなります。
群集シーンや、建物や風景、特殊なメカなどを描くアシスタントになると1日2~4万円の収入になり、かなり高額な収入を得ることができます。
「プロのマンガ家より絵が上手い」アシスタントは大勢います。