なりたい仕事のことを知る ナリカタ

  • ナリカタコラム

なりかたを知る

必要な知識・求められる資質

一人ひとり最適なリハビリを提供できる応用力、
人に対する思いやりとコミュニケーション力が不可欠です

身体機能に障害が生じる主な原因は、脳卒中や糖尿病などの病気によるもの、事故やけがによる損傷や筋力低下、加齢による運動能力の低下などがありますが、原因が同じだからといって、その症状や障害の度合いが同じことはまずありません。
それはつまり、同じリハビリや治療法がすべてに通用するわけではないということです。

患者さんの基礎体力や骨格、性格は千差万別ですので、都度、患者さん一人ひとりに対して最適な治療方法やプログラムを企画、遂行すること必要です。

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そのためには、人体やリハビリテーション医学に関する高い専門知識はもちろん、様々な治療方法を、患者さんにあわせて臨機応変にプログラムする判断力や応用力、また、治療運動や練習を行う際に、正しい場所に適切に力を加えたり、移動の時に患者さんの体を支えたりといった、相応の体力も求められます。

また、病気やケガなどで急に障害を抱えることになった患者さんの場合、精神面の回復が追いつかず、リハビリに対して消極的になる方や、思うように体が動かず不安になる患者さんもいらっしゃいます。そうした患者さんにより添い、リハビリへのモチベーションを引き出し、精神的な支えになることも、理学療法士が果たすべき大切な役割です。患者さんが安心してリハビリに取り組めるように、それぞれのペースにあわせて二人三脚で歩む心の豊かさや、人に対する思いやりが何より欠かせない職業です。

リハビリには、患者さんやその家族からの理解と協力、そして信頼関係が不可欠です。また、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーなど様々な職種の人たちとの連携が欠かせない、まさに"人の中で活きる仕事"です。患者さんや家族、他の医療職と意思疎通ができるコミュニケーション力はもちろん、身体の状態や練習のことを分かりやすく説明できるスキルや説得力、人から信頼される人間性など、総じて"人間力"が求められる職業だといえます。

理学療法士の国家試験では、幅広い分野の専門知識が求められますが、医学は日々進歩していきますし、患者さんの身体も症状も一人ひとり異なりますので、試験に合格するための勉強だけでなく、いくつになっても常に研究し、勉強し続ける姿勢が必要です。また、患者さんを支える仕事であるため、自分の体調管理をしっかり行うことも大事な要素です。