なりたい仕事のことを知る ナリカタ

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お客様においしいと満足してもらえるケーキを作って行きたい

園畠 ゆかりさんパティシエ (株式会社神戸凮月堂 製品開発課)

  • インタビュー内容・勤務先等は取材当時の情報となります

商品企画から経営まで学べた実習授業が思い出

小さい頃から好きだったお菓子作りを学ぶため、鹿児島の実家を離れ、神戸製菓専門学校に入学しました。2年制の製菓本科で、洋菓子に加えてパンや和菓子と幅広く学びました。1年目は基礎、2年目は実習が中心。様々なレシピを多くの先生方から教えていただく授業では、プロのお菓子を学ぶことがとても刺激になりました。好きなお菓子を学べる環境、さらに同じ道を目指している人たちが集まっているので、本当に楽しい学生生活でした。特に思い出に残っているのは、6、7人でチームを組んで取り組んだ学園祭でのケーキ販売。1年目は売れ残った上に赤字でした。反省を踏まえて2年目はパウンドケーキのような焼き菓子に挑戦しました。数種類を実演しながら販売したことで、見事完売!一人あたり2000円を売り上げ、利益も出ました。さらにレシピや材料の分量、製品の売価まで自分たちで決めたことで、原価計算など経営面について学ぶよい機会になりました。

仕事で人一倍気を配っているのが体調管理

学校の講師は、現役で活躍されている業界の方々。凮月堂への就職は、兵庫県洋菓子協会の役員をされている講師の先生から勧められました。新規開店予定の店舗がスタッフ募集をしているということで、採用責任者の方にお会いできることになりました。和菓子部門も含め、凮月堂は新卒採用をほとんど行っていない会社ですので、大きなチャンスをいただき、面接を経て、入社することが決まりました。
仕事は、毎朝8時までに出社し、前日までに作ったケーキを販売用のショーケースに配置するところから1日が始まります。細長いプラスチックの板にケーキ7〜8個をすき間なく並べ、ドア1枚を隔てた調理場から売り場へと慎重かつ素早く運びます。この時にまだ飾りつけが終わっていないケーキは、果物を切ってチャービルの葉などとともに飾っていきます。この作業をケーキの種類だけ繰り返すので、朝10時の開店後も作業は続き、たいてい昼の12時頃までかかります。その後は、休憩を挟んで、粉などの材料の仕込み。ずっと立ち仕事です。現在、人一倍気を配っていることが体調管理。特にストレスを貯めないように心がけています。また、人の口にはいるものだけに、果物を切る際に誤って手を切るといった怪我も細菌が混入する原因となり商品にとって命取りになります。鍋やオーブンなど高温の器具を使うので、やけどをしないように細心の注意が必要です。

仕事以外でも勉強し、本物を追求していきたい

仕事以外でも腕を磨くことが必要だと思い、洋菓子コンテストに参加もしました。出品するケーキは仕事の合間を縫って作り上げました。通常でもクリスマスケーキの注文が集中する時期でしたので、本当に忙しかったです。また、商品の華やかさ、美しさを、洗練されたデザインで決まりますから、休日には勉強を兼ねて、洋菓子だけでなく、パンや和菓子のお店を回ったりします。ほかにも、製菓の本を読んで知識を得て、それを商品に反映していきたいと思っています。お客様においしいと言って満足してもらえるものが作りたいと思います。専門的なことは、中途半端な気持ちや不純な動機では続かないと思います。もっともっと勉強しながら、本物を追求していきたいです。